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固定電話の転送解除に便利なサービスをご紹介

ボイスワープの設定忘れをどう防ぐ?|
固定電話の転送解除に便利なサービスをご紹介

公開日:2024/10/21   更新日:2025/06/30

「ボイスワープの停止をし忘れて、新規問合せの電話を見逃してしまった」
「営業時間内でも転送を続けてしまい、クレームになった」

固定電話の転送サービスは、ビジネスにおいて非常に便利なツールですが、その設定を適切に管理しないと、上記のような予期せぬ問題が発生することがあります。特に転送設定の解除(転送の停止)を忘れると、重要な連絡が意図した場所に届かなくなり、ビジネスに大きなダメージを与える可能性があります。

このコラムでは、そうしたリスクを未然に防ぎ、固定電話の転送設定ミスによるビジネスチャンスの損失を防ぐための方法を考察します。末尾には月額1,000円~という手ごろな価格で導入できる転送設定の自動化サービス「転送録」についてもご案内しています。

ボイスワープの設定忘れをどう防ぐ?固定電話の転送解除に便利なサービスをご紹介
目次

はじめに:固定電話転送サービスの概要とメリット

ここでご紹介する「固定電話転送サービス」とは、固定電話(03や06など市外局番を持つもの)にかかってきた電話を、別の電話番号(固定電話や携帯電話、IPフォンなど)へ着信を自動的に転送するサービスのことです。例えば以下のようなビジネスシーンで用いられます。

  • 不在時の転送・・・担当者が不在であったり、応答できない状態の時に、別の電話番号に自動転送することで、電話対応を行う
  • 時間外の転送・・・24時間365日体制ででの顧客対応が必要な場合、営業時間外や休日に着信があった場合、別の担当者やサービス拠点に転送をする
  • 場所に縛られない転送・・・勤務地が複数ある場合やリモートワーク中、事業所間で電話を転送する

オフィスから離れていても、モバイルデバイスなどで重要な電話を受けることが可能になるため、顧客対応を確実かつ迅速に行うことができ、信頼性の向上にも繋がります。

業界別:固定電話転送サービスの使い方

電話対応を確実に行うための固定電話転送サービスですが、業界によって多様な使い方があります。具体例をいくつかご紹介します。

  • 医療業界・・・オンコールで待機している医師や看護師に、効率的に緊急連絡を転送します。医療機関という特性上、電話の即時対応や部署間や担当者間での連携が求められますが、電話を転送することで対応しています
  • 不動産業界・・・顧客サービスの向上や営業機会の最大化を目的に、営業担当者がオフィスに不在の時も顧客からの問い合わせを携帯電話に転送することで即座に対応しています
  • 小売業界・・・店舗の閉店後も、顧客からの問い合わせをコールセンターや他の店舗に転送することで、24時間365日体制の顧客サポートを提供しています

固定電話の転送は、単に通話を別の番号に転送するだけではなく、ビジネスのニーズに応じた柔軟な対応が可能です。サービスの活用によって企業は顧客からの信頼を深め、業務効率の最大化、そして緊急時の対応力強化などの様々なメリットを享受することが可能です。

固定電話転送の代表的なサービス

様々な種類がある固定電話転送サービスの中から、主なサービス提供者とその特徴をご紹介します。

NTT東日本・NTT西日本「ボイスワープ」

「ボイスワープ」は、主にNTTの固定電話利用者向けに提供されており、固定電話にかかってきた電話を、あらかじめ設定しておいた他の電話番号(固定電話や携帯、スマートフォン)へ自動的に転送するサービスです。オフィスでの利用は、月額で880円(税込)/1契約者回線毎です。

KDDI光ダイレクト「着信転送サービス」

KDDIの法人・ビジネス向けサービス「KDDI光ダイレクト」のオプションとして、着信転送サービスが提供されています。「無条件転送」「話中転送」「スケジュール転送」の中から転送方法が選択でき、無料で利用ができます。

ソフトバンク「多機能転送サービス」

ソフトバンクの通信設備を利用しているため、お手頃な基本料金や通話料で利用できる固定電話サービス「おとくライン」では、「多機能転送サービス」という名称で電話転送サービスを提供しています。利用料金は800円(税抜)/番号です。

転送は固定電話に不可欠な機能

重要な通話を逃さないようにすることで、コミュニケーションの効率を大幅に向上させ、業務の効率化に貢献する反面、管理が不十分だと予期せぬトラブルを招くことがあります。特に、転送の設定を適切に解除しないと、重要な通話が想定した先に届かず、ビジネスに重大な影響を及ぼすリスクもあります。各キャリアが転送サービスを提供していることからも分かるように、転送は固定電話に不可欠な機能と言えます。

ここからは、ボイスワープ等の固定電話転送サービスの効果的な利用を阻害する「解除忘れ」等の切替操作に関するエラーについてみてみましょう。

はじめに:固定電話転送サービスの概要とメリット



電話転送設定の切替操作を忘れてしまう状況とは?

電話転送設定の切替操作を忘れてしまう状況には共通点があります。それは、電話転送設定の切替操作が日常的なルーチンではないため、特に忙しい時や注意散漫な時に忘れがちということです。

また、いずれも転送の開始よりも「解除」を忘れがちになります。電話を転送する目的や必要性を意識するのは転送開始時であり、その状況が終わった後では意識が散漫になるためです。

転送解除(停止)忘れが起こりがちなシーン

  • 長期休暇後・・・土日などの定期的な休みもそうですが、年末年始など休暇がイレギュラーに発生した場合には、転送を解除する作業を忘れてしまうことがあります
  • 特定イベント後・・・会議や出張など、特定のイベントのために一時的に電話転送の設定を変更した後は、直後の忙しさや疲労が原因で、操作を忘れてしまいがちです
  • 多忙な業務中・・・日々の業務が忙しい中で、特に緊急で対応が必要な業務が続いていると、後で設定を元に戻すことを忘れがちです
  • 担当が決まっていない・・・設定解除を行タイミングで最も多いのが「出社した時」ですが、明確な担当を決めず「出社した人が担当する」という慣習の場合、人任せの心理が働き解除ミスが発生します

その他、固定電話のボタンをポチポチ押すという設定作業自体が複雑であり、設定変更の手順を正確に覚えることが難しいため、操作や解除を忘れてしまうシーンもあります。

転送解除(停止)忘れで起こる問題

電話転送設定の解除を忘れてしまうと、通話が意図しない場所へと転送され続け、重要な連絡が適切な人物や部署に届かないという問題が発生します。

これは特に、顧客サービスや営業活動において特に深刻な影響を及ぼします。
顧客からの問い合わせが適切な部署や担当者に届かない場合、対応の遅延や誤対応が発生し、結果として顧客満足度が低下することがあります。これは、企業の評判に悪影響を与える可能性もあります。

また、電話が不適切な場所に転送され続けることで、社内のコミュニケーションが混乱し、情報の伝達ミスや誤解が生じる可能性があります。本来の業務に集中できず従業員の生産性が低下し、全体的な業務効率が悪化する可能性があります。


これらを避けるためには、設定変更時には必ずリマインダーを設定する、またはチェックリストを作成しておくなどが有効です。また、設定操作の簡素化や自動化を図ることも、忘れを防ぐための一つの方法です。



転送の解除忘れを防止する方法

ここからは解除忘れを防止する具体的な方法を4つご紹介します。

1.リマインダーの設定
2.チェックリストの作成
3.タスク管理ソフトウェアの活用
4.設定操作の自動化

1.リマインダーの設定

リマインダーツールを使用して、転送サービスの設定解除が必要な時刻にアラートを設定します。携帯電話やスマートフォンのリマインダー機能も活用できます。時間単位の短い期間なら、目覚まし時計などのアラームをかけるという方法も、すぐに簡単・無料で実施ができて便利です。
イベントや会議など、急に発生した状況で一時的に固定電話の転送設定を行う時に特にお勧めできる方法です。

2.チェックリストの作成

電話転送の有効化と無効化を日常業務のチェックリストに組み込みます。これにより、通常の業務の一部として処理されるため、見落としの可能性が減ります。
あわせて、メモ帳や付せんを電話機に貼ることで視覚的に注意を喚起することも、見落としを減らすために有効です。電話機に貼られたメモは、電話を使うたびに目に入るため、転送解除を忘れることを防げます。特にオフィスなどで複数人が使用する電話機の場合、この方法は非常に効果的です。

3.タスク管理ソフトウェアの活用

タスク管理ソフトウェアは、タスクやプロジェクトを計画、追跡、そして管理するためのデジタルツールです。優先順位の設定や期限の管理、進捗の確認が容易になるため、効率的に業務を進行させることができます。
電話転送設定の作業自体をタスクとして登録し、チーム全員で管理責任を共有します。やや大がかりな方法ですが、複数拠点・多回線で固定電話の転送サービスを利用しているケースでは、解除ミスの影響範囲が広いため、お勧めできる方法です。

4.設定操作の自動化

最後に、設定作業を自動化するシステムを導入する方法もあります。例えば、事前に設定したスケジュールに基づいて自動的に転送を解除することができるクラウド型の電話転送切替自動化サービスがあります。このようなサービスを導入することで、転送解除を忘れる心配がなくなります。

転送の解除忘れを防止する方法



電話の転送設定の作業を自動化するサービス「転送録」

転送の解除忘れを防止する方法の一つ、設定操作の自動化ならクラウド型電話転送サービス「転送録」の電話転送切替をぜひご検討ください。

電話転送切替とは、NTTボイスワープ等の電話転送設定の切替操作を自動化・スケジュール化するサービスです。自動化によって設定のミスをなくし、スケジュール化によって切替の手間を省きます。

手動による転送設定・解除対応に漏れが生じ、営業機会損失につながった・・・本来の業務に支障がでてしまっている、そんな課題を「転送録」が解決します。

時間帯や曜日を指定して、それに応じて異なる転送先を設定することが可能で、シフト制の電話当番にも適切に対応することができます。
月額1,000円~という手ごろな価格で導入できるのも魅力の一つです。

また、設定予約の操作はカレンダーを見ながら、ご希望の日時を選択するだけで簡単です。予約の設定数に制限なく、未来の1年間の予約ができる点も、解除忘れの防止に繋がります。

転送処理のスケジュール化(カレンダー登録)画面
転送処理のスケジュール化(カレンダー登録)画面

導入事例-業務効率向上の課題を「電話転送切替」で解消

2010年のサービス開始以来、2,000を超えるアカウント開設実績がある「転送録」ですが、ボイスワープ等の固定電話の電話転送サービスの設定や解除忘れを防止し、業務効率向上につなげたい、という目的でご導入いただいているお客様が数多くいらっしゃいます。

「転送録」の導入によって本来の業務に集中することができること、またそれが従業員の満足度向上につながる、という副次的なメリットも感じていただいています。

「転送予約リマインドメール」で設定忘れを防止

「転送録」による電話転送設定の切替操作の自動化は、前述の通りカレンダーを見ながら簡単に操作ができますが、その予約自体を忘れては元も子もありません。

そのようなミスを発生させないために、「転送録」には転送予約リマインドメール、という機能があります。これを使用すると、当月の転送予約が登録されていて、翌月が未登録の場合に、リマインドメールを送信できます。※メールの送信は毎月20日の午前8時に実施されます。

転送予約リマインドメールは、電話転送切替の標準機能で、追加料金なしでご利用いただけます。

複数キャリアの電話転送サービスに対応

前段でご紹介した固定電話転送の代表的なサービス(NTT東西・KDDI・ソフトバンク)に対応している点も「転送録」がお客様から指示されている理由の一つです。

その他、

など「転送録」独自の特長があります。

「転送録」電話転送切替の詳細はこちら


ビジネスの強い味方となる固定電話の転送サービスですが、設定や解除を忘れるというミスは、営業の機会損失に繋がります。「転送録」のようなサービスを上手く活用することによって、これらのリスクを最小限に抑え、常に連絡を逃さずに迅速かつ効果的に対応することが可能です。

設定の解除を忘れるといった人的ミスを防ぎながら、転送のスケジュールを柔軟に管理できる「転送録」の利用は、業務効率の向上に直結し、企業の成長と競争力の強化に寄与する重要な戦略となり得ます。

「転送録」は今すぐ無料でお試しいただけます。お試し期間中のメールや電話のサポートも手厚く行っています。以下のリンクよりお気軽にお試しください。
無料トライアル(サービス試用)


※機能や価格は公開日時点の情報です

※価格は税抜表示です


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医療現場が抱える問題点とその解決策も紹介

看護師の人手不足の原因とは|
医療現場が抱える問題点とその解決策も紹介

公開日:2022/06/23   更新日:2024/06/12

看護師の人手不足の原因とは|医療現場が抱える問題点とその解決策も紹介

看護師の人手不足は深刻であり、業務量の多さや拘束時間の長さから「辞めたい」と考える人も少なくありません。看護師不足の原因は、過酷な勤務体制や充実していない福利厚生、過剰な仕事量にあります。そんな医療の業界で看護師が業務に集中し、高いパフォーマンスを維持するためにも、無駄な作業を省略することが大切です。

この記事では、看護業界の人手不足の現状や問題点を紹介するとともに、看護師の業務効率を高めるための対策やサービスを紹介します。

1. 看護師の人手不足の現状・問題点

看護師の人手不足による影響・問題点

日本の医療における看護師の不足は慢性的な課題となっており、現在でも解決できているとはいえません。

1992年に「看護師等の人材確保の促進に関する法律」が制定され、厚生労働大臣・文部科学大臣には「看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針」を定めることが義務付けられました。

その基本指針によって就業している看護師等の数は1990年の84万人から、2020年には173.4万人人に増加するなど成果をあげています。※

反面、2025年以降、就業者(現役世代)が急減するとともに、高齢化の進行が進むことで、看護職員不足が見込まれています。

※厚生労働省:第2回看護師等確保基本指針検討部会(令和5年7月7日 )参考資料2
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001118192.pdf

病院・クリニック・介護老人保健施設など、医療介護の領域別の看護職員の求人倍率を比較すると、訪問看護ステーションの求人倍率が最も高く、訪問看護の業界での人材確保に大きな課題があると言えます。

2. なぜ看護師は人手不足になっているのか?その原因とは

なぜ看護師は人手不足になっているのか?その原因とは

毎年約6万人もの看護師国家試験合格者を出しながら、なぜ看護師は不足し続けているのでしょうか。看護師が不足する背景には次のようなことが考えられます。

  • 看護需要の拡大
  • 輪番などの不規則な勤務形態
  • 業務量の多さと責任の重さ
  • 離職率の高さ

看護需要の拡大

団塊の世代が後期高齢者となる2025年が迫る中、看護師の需要がますます拡大し、供給が追いついていないのが現状です。介護、福祉、医療分野全体の従業員数が不足している場合もあるため、看護師が従事する業務範囲や求められる役割が大幅に広がっているのです。

2022年の訪問看護利用者数は要支援、要介護合わせて約69万人で、年々増加しています※。同時に訪問看護ステーションの事業所も増加しており、看護師の需要もこれに比例しているのです。また、介護施設では、バイタルチェックといった要介護者の生命に近い管理業務などの重要な役割を担うため、担い手の技量も求められます。

また、地域の保健センターでは保健サービスや健康相談などを引き受けています。地域医療が充実し、豊かになるほど看護師の需要も増えるのです。

※厚生労働省:社会保障審議会介護給付費分科会(第220回) 資料3令和5年7月24日
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001123919.pdf

交替制勤務などの不規則な勤務形態

輪番制の夜間勤務やオンコールによる呼び出しなど、看護業界では不規則な生活を強いられることが多くなります。小さい子供がいる看護師は夜間勤務することが難しい場合もあるため、時短勤務や日勤を優先できる勤務体制でないと仕事がなかなか続けられません。

また、日勤を優先する看護師が増える代わりに夜勤を担当する看護師も職場内で固定化されることから、看護師によっては勤務体制が負担となる可能性があります。看護師不足がさらなる看護師不足を招くような悪循環となっているのが現状でしょう。

日本看護協会も交代制勤務に関するガイドラインを発表しており、現場での看護師に対するリスクマネジメントの重要性を説くほど事態は悪化しています。看護師側でできることには限界があるため、病院経営側で拘束時間や夜勤回数に制限をかけ、看護師ごとのメンタルヘルスを確保することが重要です。また、ガイドラインに則って勤務形態を最適化することが大切になるでしょう。

業務量の多さと責任の重さ

看護師は、業務量の多さや責任の重さも問題点となっています。基本的に、正看護師は准看護師のフォローをしなければいけません。准看護師は正看護師と違い、自らの判断で行動することが許されていないためです。その結果、准看護師のフォローというタスクが正看護師の業務量を増やしてしまいがちになります。特に看護処置レベルやコミュニケーションレベルなどが高い人ほど仕事量が増えるでしょう。

また、看護師資格を持つ者にしかできない仕事以外も業務としてやらざるを得ないケースがあります。特に夜間勤務においては不足する他職種のカバーも看護師が行います。例えば、電話対応、受付業務、会計、事務手続きなど、本来の看護師業務とはかけ離れた業務も看護師の仕事となっているのが現状です。

看護師業界では、新卒よりも中堅の離職率が高いのが特徴です。キャリアの浅い看護師が意図せず重要なポジションを任せられるというケースもあるため、キャリアにそぐわない重い責任を背負うような精神的負担もあります。

3. 看護師の人手不足解消のための対策・解決策

看護師の人手不足解消のための対策・解決策

不足している看護師の人材確保には、賃金の引き上げが対策の一つとなります。「看護師のお仕事」に関するアンケート調査では、看護師が働きやすくなるための対策として「給与の引き上げ」の回答がトップです。労働の対価が見合わなければ、モチベーションとともに、看護の質も低下するおそれがあります。

「休日の取りやすさ」を求めている人も多く、福利厚生制度の見直しも必要です。勤務時間の柔軟な対応や、有給休暇の取りやすさなど改善できる点は多々あるはずです。

福利厚生が充実すれば復職を望む人が増加する可能性もあります。潜在看護師は約71万いるため、病院側で復職支援が整えられれば、復帰を望む潜在看護師も復職しやすいです。

また、新人看護師が重要ポストに就かざるを得ないような状況を回避すべく、研修や訓練などの教育にも力を入れる必要があります。さらに、デジタル化や機械化を推進することで、業務効率化を図ることも大切です。

4.医療や介護の現場でデジタルを活用した業務効率化とは?

医療現場でのデジタル技術の活用は、業務効率の向上、コスト削減、患者ケアの質の改善が期待できます。特に、業務効率を向上させることで看護師1人当たりの業務負荷が減少しますので、看護師の人手不足を解消する手段の一つです。

医療現場におけるデジタル技術の効果的な活用方法をいくつかご紹介します。

電子カルテの導入

患者の受診記録をデジタル化することで、情報へのアクセスが容易になり、情報の正確性が向上します。医療提供者間での情報共有もスムーズになり、治療の連携が改善されます。

遠隔医療技術(テレメディシン)の実施

ビデオ会議システムを用いた診察や、スマートフォンやタブレットを使用した健康管理アプリ(モバイルヘルスアプリケーション)の活用により、地方やアクセスが困難な地域の患者に対して、専門的な医療サービスを提供できるようになります。

遠隔医療技術の導入は、医療アクセスの向上、コスト削減、効率的な資源利用など、多くの利点をもたらしています。また、COVID-19パンデミックにおいては、感染リスクを抑える手段としてその重要性が一層高まりました。これにより、今後も遠隔医療の普及と技術革新が加速することが期待されています。

定型業務の自動化

電話の受付、スケジューリング、請求書処理、在庫管理など、日常的に発生する定型作業や事務作業を自動化することは業務効率の向上が期待でき、医療スタッフが患者ケアにより多くの時間を割くことができます。ビッグデータを活用したデータ分析も、治療成績の評価、流行病の監視、リソースの最適な配置などを行うことができます。これにより、施設全体の業務効率が向上します。

これらのデジタル技術は、医療業界における革新的な変化を推進しており、継続的な改善と技術の進化が期待されます。それにより、より効率的でアクセスしやすい医療サービスが実現しています。

5.電話転送で実現する訪問看護などの業務の負担軽減

電話転送で実現する訪問看護などの業務の負担軽減

前述の「デジタルを活用した医療・看護領域での業務効率化」の中でも特に始めやすいのが、定型業務の自動化です。

複数の医療機関を結ぶような大規模なシステムを導入することなく、インターネット上で完結するクラウドサービスの契約で実現できることが多くあります。

事務作業の代表例として電話対応が挙げられますが、訪問看護や訪問介護においては必要不可欠な業務です。しかし、輪番制で連絡先が変わる際、電話の転送設定を都度変更するのはストレスの一因となっています。

株式会社ワイドテックが提供しているサービス「転送録」は、緊急連絡やオンコール対応に役立つ様々なサービスがあります。

「転送録」でできること(例)訪問看護ステーションのオンコール

  • スケジュール機能(オプション)活用で、スタッフのシフトに合わせてスケジュールを自動変更
  • 発信者通知で患者様名のダブルチェック
  • 症状・時刻・電話番号などのお客様情報ヒアリングに、通話録音機能を活用

医療や介護、看護業界のお客様に活用される「転送録」とは?

「転送録」とは、インターネット回線を利用したクラウド型の転送サービスのことです。電話転送を便利にするいくつかのサービスで構成されています。特に、以下にご紹介するサービスは医療や介護、看護業界のお客様に数多く導入されています。

●サービス例「順次転送
着信専用回線への着信を複数の電話番号へ、優先順位に従い順次転送を行うサービスです。 緊急時の電話や営業につながる問い合わせなど、「絶対に出なくてはいけない電話」が優先度順に複数名に転送されるため、オンコールなどの大切な電話の取りこぼしを防止し、確実な電話対応が実現します。

※複数の番号へ「一斉に(同時に)」電話転送を行うサービス「一斉呼出転送」もあります。


●サービス例「転送先増設
ボイスワープ(NTT東/西日本)等、電話転送サービスの転送先件数を10件、20件…と増設するサービスです。

ボイスワープ等各キャリアの電話転送サービスでは、最大5件までの転送先しか登録できず、電話当番を曜日ごとにローテーションするなどの自由度が低いですが、転送先増設では転送先を10件まで間接的に増やすことができます(11件以上はオプション)。転送先の件数が増えることで、対応の柔軟性が向上し、様々な状況やニーズに対応できるようになります。


●サービス例「電話転送切替
NTTボイスワープ等の電話転送設定の切替操作を自動化・スケジュール化します。
手動による転送処理を自動で行なうため業務の効率化が図れ、設定忘れのミスを未然に防ぎます。

さらに、曜日・時間ごとのスケジューリング機能が優秀で、あらかじめシフト表に応じた転送先を予約しておくと、自動転送処理をスケジュールに合わせて自動で実行できます。また、複数の回線で着信がある際は履歴に残るため、オンコールの見逃しがありません。

携帯・スマホ端末の持ち回り問題から解放

また、医療や看護、介護業界のお客様からご好評いただく声に「社用端末の持ち回り問題から解放された」というものがあります。

多くの医院・クリニック・事業所では、看護師やスタッフの人数に対して携帯電話やスマートフォンの台数が足りていません。そんな中で前の当番が間違えて端末を持って帰ってしまうことも多々あり、「端末の持ち回り漏れ」が問題となります。

転送録は、電話の転送先をプライベート端末(従業員やスタッフの私物の携帯やスマートフォン)に設定できるため、社用端末の持ち回りを考えなくて済みます。従業員が増えても、新しく社用端末を購入する必要がありませんので、社用端末にかかるコストも削減できます。

医療現場で看護師の負担を緩和できた活用事例

「転送録」を利用し、看護師業務の負担を緩和できた事例を紹介します。24時間体制の訪問診療、緩和ケアを行っている「医療法人社団爽秋会様」では、転送録の転送先増設サービスを利用した結果、多忙を極める朝の看護師業務の緩和を実現しました。

看護師は夜間と土日祝日も患者様からの緊急電話に対応しており、従来までは毎朝忙しい時間に手動で転送先の設定をしていました。改善を望んだ点としては、ボイスワープの切り替え設定の手間をなくすこと、転送リストの登録数を増やして利便性を高めることです。

「転送録」の利用によって輪番の看護師に自動で切り替えてくれるスケジュール機能や、通話対応中にも着信履歴を残せる機能を活用できるようになりました。その結果、分刻みで時間に追われる看護師のストレスを軽減するとともに、業務の負担を減らし、診療や看護の質を下げずに業務効率化を実現できたのです。

6. まとめ

日本の少子高齢化社会によって看護師の人手不足は深刻化しています。

看護師の人材確保には、様々な方法や考え方がありますが、その中でもデジタル化や機械化によって業務効率化を図ることは今すぐにでも着手できる対策です。

電話転送を自動化できる「転送録」もその一つです。
電話にまつわる定型業務を自動化するなど、看護師の負担を減らし、業務の効率化が期待できます。人手不足の解消方法の一つとして、「転送録」の導入をぜひご検討ください。



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緊急時の電話対応における課題と改善方法とは

訪問看護・介護の現場に欠かせない
緊急時の電話対応における課題と改善方法とは

公開日:2022/06/23   更新日:2024/11/13

訪問看護・介護の現場に欠かせない緊急時の電話対応における課題と改善方法とは

少子高齢化の影響により、看護職員や介護職員が提供する訪問看護と訪問介護のニーズが増加しています。それに伴い、病院やデイサービスといった看護や介護サービスの現場では、職員一人ひとりの負担が増しています。特に利用者からの緊急時の電話対応が日々の業務に加わることで、現場の負担がさらに大きくなっている状況です。

本記事では、訪問看護と訪問介護業界の現状を紹介するとともに、少しでも現場の負担を減らすソリューションを紹介します。

1. 訪問看護・訪問介護とは

訪問看護・訪問介護とは

「訪問看護」とは、患者が住み慣れた自宅で療養生活を送れるよう、訪問看護師が医療行為を行うサービスです。一方、「訪問介護」とはケアマネジャーが作成したケアプランに基づき、介護ヘルパーが利用者の自宅を訪問して介助を行うサービスのことを意味します。一見、「訪問看護」と「訪問介護」は共通のサービスであると思われがちですが、訪問介護では医療行為が行えない点が異なります。そのため、サービス内容やそれに対する診療報酬の仕組みも異なり、提供する機関も異なります。

ここでは、訪問看護と訪問介護の概要についてそれぞれ解説します。

訪問看護・介護を行う機関

訪問看護と訪問介護を提供している機関は異なります。特に以下のような機関で運営されています

<訪問看護>

  • 訪問看護ステーション
  • 保険医療機関
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 看護小規模多機能型居宅介護
  • 民間企業の訪問看護サービス

<訪問介護>

  • 地域密着型サービス事業所
  • 居宅サービス事業所
  • 居宅介護支援事業所

訪問看護 ・介護 の内容

前述した通り、訪問看護では医療行為が行えますが、訪問介護では行えません。そのため、それぞれのサービス内容は大きく異なります。

訪問看護の主なサービスとしては、食事や排せつなどの介助をはじめ、主治医の指示に基づく医療処置、たとえば点滴や注射、痰吸引といった医療行為を自宅で受けられることが挙げられます。また、運動能力の回復に向けたリハビリも提供されるため、利用者の生活全体におけるトータルケアが可能です。サービスの利用頻度は、介護保険や医療保険の加入状況および支払額によって異なります。

一方、訪問介護の主なサービスは、身体介護と生活援助の二つに大きく分けられます。身体介護とは、身体が不自由なことによって日常生活に支障が発生する部分をサポートするサービスです。生活援助とは、日常生活で必要な家事をサポートすることです。サービスを受けられる頻度はケアマネジャーが作成したプランに基づき、適切な対応体制が整えられます。訪問介護と訪問看護が連携し、利用者の健康と生活全体に対するトータルケアを提供するためには、チーム内でのコミュニケーションが重要です。

2. 訪問看護や訪問介護が求められる理由

訪問看護や訪問介護が求められる理由

高齢化の影響で高齢者の増加しているため、要介護認定を受ける人数が年々増えています。医療機関や介護施設で要介護者を受け入れられる人数には限りがあることから、訪問看護や訪問介護の重要性が増しているのです。また、核家族化の進行により、家族が要介護者のお世話をする機会が少なくなりつつあることも、訪問看護と訪問介護のニーズを高める要因といえるでしょう。

これらの背景から、利用者の症状や状態に応じた適切なケアを継続的に提供し、迅速に対策を行うことが必要とされています。訪問看護や訪問介護は、利用者の状態を適切に判断し、安心して生活を続けられるよう支援する役割を担っています。

3. 訪問看護・介護に欠かせない「オンコール」

訪問看護・介護に欠かせない「オンコール」

訪問介護と訪問看護の現場では、患者や要介護者の体調や状態が急変するなどの理由で緊急対応が必要になることも少なくありません。こうした緊急事態に備えるために、医療機関や介護施設では、「オンコール体制」という勤務体系を採用しています。「オンコール体制」とは、緊急時にいつでも駆けつけ迅速に対応できるよう、看護師や介護士が携帯電話を持ち、自宅や施設の近隣で 待機する仕組みです。

オンコール体制で勤務する職員は、いつでも連絡を受けられるよう日中も待機し、呼び出しがあればすぐに現場に向かえる準備をしておく必要があります。この体制は、24時間365日、患者や要介護者を見守る必要がある訪問看護と訪問介護において大切な仕組みです。これにより、利用者が安心して生活できる環境を提供し、サービスの質向上に向けた改革も期待されています。豊富な経験を持つスタッフが支えるこの体制は、訪問看護・介護に欠かせない支えとなっています。

4. 現場が抱える緊急時の電話対応における課題と解決策

現場が抱える緊急時の電話対応における課題と解決策

訪問看護や訪問介護の現場に欠かせないオンコール勤務ですが、オンコールで発生する電話対応には課題があります。特に以下のような課題が挙げられます

<オンコール勤務における電話対応の課題>

  • 輪番の看護師や医師にかかる負担
  • すぐに電話に出られない状況の発生
  • 転送電話の設定の手間と不便さ
  • 端末の持ち回り漏れ

ここでは、それぞれの課題の詳細について見ていきます。

輪番の看護師や医師にかかる負担

オンコール勤務に就いた看護師や医師は、いつでも駆けつけられるように職場近くで準備を整えておく必要があります。そのため、自宅で待機している場合でも、いつ電話がかかってくるか分からず、常に心理的なプレッシャーを抱えることになります。また、別の業務中に連絡が来ても在宅医療の現場や要介護者のもとへ駆けつけなければならず、オンコールを見越したタスク管理が求められます。

また、医療機関や介護施設によってはオンコール勤務に対する割増手当を設けていることからも、オンコール勤務は看護師や医師の働き方における大きな負担となっていると考えられます。

すぐに電話に出られない状況の発生

人手不足に悩む医療機関では、急患が発生した場合や職員が不在の場合などに受電できる人がいない時間帯があり、電話対応が困難になることがあります。特に夜間はシフトの関係で勤務している職員の数が限られているため、すぐに電話に出られない状況が起こりやすいです。また、医療機関への電話は緊急を要するものがほとんどであることから、タイミングによっては電話に出られず迅速な対応が難しい場面もあります。

電話にすぐ出られないことは、電話をかけた側に不安を与えてしまう一方で、現場では対応が難しいのが実情です。

転送電話の設定の手間と不便さ

医療機関や介護施設の中には、すでに転送電話の仕組みを導入しているところもありますが、転送設定の変更に対して使いにくさを感じていることも少なくありません。例えば転送電話の設定においては、当番のスタッフの電話番号を毎回登録する手間があります。 

このような転送電話における課題を解決するには、幅広い用途に対応した転送電話サービスである「転送録」のようなサービスを選ぶことが重要です。

端末の持ち回り漏れ

社用オンコール用の端末を持ち回りで使用している場合には、担当者が端末の引継ぎを忘れて間違えて持って帰ってしまう、という状況も多く発生しています。このような状況では、急な電話対応が必要な場合に連絡が取れないリスクを伴います。

転送録を活用することで、複数の転送先を登録し、端末に依存せずにスムーズな電話対応を可能にします。これにより、持ち回りによる連絡不通や対応漏れのリスクを軽減できます。

※参考:医療現場が抱える問題点については、こちらのページ「看護師の人手不足の原因とは|医療現場が抱える問題点とその解決策も紹介」でも解説しています。

5. 訪問医療現場の電話対応の課題は「転送録」で解決できる!

医療事務の業務効率化には「転送録」

人手不足が深刻化する訪問看護や訪問介護の現場では、電話対応の負荷を軽減することが急務です。電話対応にまつわる課題は、「転送録」を使うことで解決できます。ここでは、「転送録」を使ってできることや導入事例について紹介します。

「転送録」でできること

「転送録」とは、株式会社ワイドテックが提供するクラウド型多機能電話転送サービスのことです。

具体的には、代表電話にかかってくる電話を営業時間に合わせて転送の切替を自動で行ったり、複数名で対応ができる現場ではあらかじめ設定した優先順位で電話を転送する(順次転送)、あるいは複数の番号を同時に呼び出す(一斉呼出転送)などのサービスをご提供しています。

その他にも、ボイスワープの電話切替を自動化する(電話転送切替)や、ボイスワープの転送先の件数を増やす(転送先増設)といったサービスも提供しています。これら複数のサービスを組み合わせて利用することで、電話転送に関する課題の解決に役立てていただけます。

転送録によって課題を解決した事例

新横浜在宅クリニック様では、訪問医療も含めて24時間365日の相談対応を行っており、電話相談に対して時間ロスが発生することに課題を持たれていました。この課題を解決するために「転送録」を活用し始めました。

「転送録」の活用方法として、基本的な電話の受け手は院長のままとしつつ、院長につながらない場合は、順次指定したスタッフに転送されるよう設定しました。これによって、問い合わせが立て込んだ際も確実に電話がつながるようになったほか、チーム全体で電話対応ができるため、看護師や医師の心理的な負担軽減、患者様の「つながらない不安」を解消できました。新横浜在宅クリニックの導入事例については、こちらのページをご覧ください。

6. まとめ

訪問看護・介護の現場に欠かせない緊急時の電話対応における課題と改善方法とは

少子高齢化が進んでいる令和の日本では、訪問看護と訪問介護のニーズが高まっており、それに伴い従事する職員の負担も増加しています。特に緊急時の電話対応は、医療現場での人手不足が顕著に表れ、大きな負担となっているのが現状です。

このような負担を軽減するためには、現場に適した電話転送サービスを導入し、丁寧で迅速な取次ぎができる環境を整えることが求められます。また、現場での実務に役立つ転送サービスを導入することで、対応効率の向上が期待できます。

そこでおすすめできるのが、株式会社ワイドテックが提供している「転送録」です。「医療」「看護」「介護」業界での豊富な導入実績と手頃な値段で、現場の電話対応をバックアップできます。「転送録」を活用することでスタッフの負担を減らしつつも、患者を待たせることなくスムーズな電話対応を実現できます。ぜひ導入を検討してみましょう。

※機能や価格は公開日時点の情報です

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TOP > コラム > 看護師が足りない!訪問診療の深刻な人材不足問題とその対策

看護師が足りない!訪問診療の深刻な人材不足問題とその対策

公開日:2019/11/11   更新日:2022/03/28

少子高齢化が進み、在宅医療患者が増加している一方で、それに対応する診療所やクリニックの看護師の数が不足しています。医療現場での人手不足は、最重要課題の一つです。

実際に医療の現場で仕事をしている看護師は、緊急時のサポート体制に不安を抱いています。それを解決するには、医療従事者同士の連携をスムーズにすることも必要です。

1. 医療現場での深刻な人手不足が問題に

厚生労働省発表の在宅医療の最新動向によると、2025年には在宅医療患者は29~33万人に達すると推計されています。要介護認定者数は平成12年から28年までの16年間で2.85倍になり、増加ペースは拡大しています。

全国訪問看護事業協会の調査によると、訪問看護ステーションでは、看護師や准看護師、保健師が常勤換算で2.5人必要です。2017年4月時点で、全国には9,735箇所の訪問看護ステーションがあり、前年比で665箇所増加しています。1ステーションあたりの看護職員数は、常勤換算で平均4.8人と、横ばい状態なのが現状です。

今後増加する在宅医療患者数に対し、現状のステーション増加数や常勤看護師数では不足が予想されます。

在宅医療や介護サービス供給量の拡充が必須であるのに対し、病院や医療機関では、看護師の数が足りていないという現実があります。どこの病院や医療機関でも、人材確保が重要視されています。

在宅医療では、日常の療養支援だけでなく、退院支援や看取り、急変時の対応などさまざまなニーズがあります。患者に安心できるサービスを提供する一方で、それに緊急時に対応できるマンパワーの確保が困難な事業所が多いのが現状です。24時間体制で対応している在宅医療の現場では、人手不足が顕著となっています。

介護者そのものも高齢化しており、家族の介護を理由に離職する職員も増加しています。職員が不足していると、それに対応できる利用者数も限られてきます。思うように利用者獲得ができず、赤字経営が続いている訪問ステーションも少なくありません。

こうした中、医療業界では人材確保をどうするかが目下の課題となっています。医療現場での人手不足の問題を解消するためには、知識を深め、対処することが大切です。


2. 「働きたいけど不安」な看護師たち。なにが障壁になっている?

では、訪問看護を目指す求職者の数は、今後増えないのでしょうか? 転職支援サービス会社の調査によると、男女約1000人の病院勤務看護師に「訪問介護職に興味があるか?」との質問に「ある」と答えたのは全体の11.3%でした。「やや興味がある」も含めると、3割以上の人が興味を持っており、「実際に働いてみたい」と回答しました。

その一方で、クリニック勤務の看護師は、「あまり興味がない」との回答が8割を占めます。訪問看護に「興味がある」と答えた看護師はわずか4.3%にとどまりました。「訪問看護師として働く場合、不安はあるか?」との質問には、「ある」と回答したのはなんと92.6%もいたのです。

では実際に仕事をしている看護師は、訪問看護にどんな不安を抱いているのかを紹介します。例えば、「スキル不足」「「経験不足」「業務内容や待遇面」などが挙げられます。「休日や給与」などの待遇面、「他人の家を訪問することに伴う、患者やその家族との関係の難しさ」「医療機関や他のスタッフなど、関連するスタッフとの連携の難しさ」といった回答もありました。

また、山形県看護協会が実施した県内の訪問看護実態調査によると、「看護職員が足りない」と感じている訪問介護ステーションは半数以上という結果でした。常勤看護職が5人未満の小規模事業所は6割近くにのぼり、「患者数が多く対応しきれいない」という理由で、訪問看護の依頼を断った管理者は約8割というデータがあります。

日ごろから不安に思うことは?という質問で、最多の回答は「訪問時、困ってもすぐに指示がもらえず、一人で判断しなければならない」では247人中86人でした。「24時間いつも拘束されている」と答えたのは47人でした。緊急時のサポート体制や勤務体制へ不安を抱いている看護師が多い現実が見えてきます。


3. 看護師のスタイルに合わせたサポートや連携が必要に

看護師協会では、看護師不足を解消する施策として、「新人育成に力を入れる」「医療や福祉など関係機関との連携」を挙げています。臨床研修制度の中に在宅での訪問看護の研修や実習を入れるなど、新人教育の可能性を探っているところも実際にあります。

ワークライフバランスを踏まえ、多様な勤務体制を可能にする案も求められています。そうはいっても、教育体制による育成や勤務整備には時間とお金がかかります。「そんなの気長に待っていられない」という事業者も少なくないでしょう。

都市部など、近隣住民とのつながりが希薄化している地域では、家族に代わる人の支援が必要になります。医師や看護師、薬剤師、理学療法士など、複数の専門職と連携して支えていくシステムが必要です。IT技術の進歩により、電子カルテなどの患者の情報は、スマートフォンなどで医療従事者同士が共有できるようになってきました。各専門職者間の連携により、患者の容体の変化に合わせて、タイムリーに対応することが可能です。


訪問診療に求められるスムーズな連携体制

「現状の人員で効率的に訪問診療を行う施策」と「現場の医療従事者同士の連携」を、優先的に解決する手段をお探しなら、電話転送システムの導入が有効です。看護師が抱く不安の種の一つに夜間対応があります。患者からの緊急コールに待機する看護師数はエリアの訪問看護利用者130~150人に対して1人という事業所が一番多く、看護師への負担が懸念されます。第一当番にかかってくる緊急コールに出られない場合は、2番目に待機している当番の携帯電話へ転送する、または当番医師につながるといったようにスムーズな連携体制が必要です。

ワイドテックの「転送録」なら、患者からの緊急コールを受ける当番の電話連携をスムーズにします。当番のスケジュールを事前に登録して、電話転送を自動化する「転送先増設サービス」などの設定はWeb上で簡単に設定できます。「順次転送サービス」なら、優先順位をつけて順番に転送することも可能です。

医師や看護師、薬剤師、ケアマネージャー、介護福祉士、ヘルパー、地域包括支援センター職員などの連携を強化して看護師の負担を軽減するために、電話転送サービスの導入をおすすめします。

「どのような機能があるのか知りたい」「設定通りに転送されるかを事前に確認したい」という方には、2日間無料のトライアルをご用意しています。ぜひ、こちらからお試しください。


TOP > コラム > 安心につなげる在宅医療を実現する2つのポイントとは?

安心につなげる在宅医療を実現する2つのポイントとは?

公開日:2019/10/07   更新日:2022/03/25

住み慣れた自宅で療養する患者にとって不可欠なのが、在宅医療クリニックの訪問診療です。国の施策により入院医療から在宅医療・在宅介護が増加していく中で、患者の在宅療養をサポートする24時間対応の医療に対するニーズがさらに高まっています。

電子カルテやスマートフォンといったIT技術を駆使したツールを利用し、院外にいても医療者同士での患者の情報共有・スムーズな連携を実現していますが、クリニックごとの連絡体制の違いや在宅医療を利用する患者と家族の要望などにより現場の課題は山積みです。

医師や看護師の連携体制をスムーズにし、理想的な在宅医療の実現・維持をしていくための方法について、ご紹介します。

1. 品質の高い在宅医療を実現する2つのポイント

高齢化が進んでいる現代社会では、在宅医療のニーズが高まっています。高齢者を対象とした意識調査では、自宅で最期を迎えたいという方が半数を超えています※。筋萎縮性側索硬化症(ALS)やパーキンソン病などの神経難病、障がいがある方、ケガの後遺症により通院が困難な方は、自宅で定期的に継続診療を受ける必要があります。

在宅医療クリニックでは、緊急時においても24時間対応で患者宅に訪問し診療を行っていますが、在宅医療を担う医師の数が不足するという大きな課題を抱えています。

首都圏のとあるクリニックでは診療患者数が200人以上、訪問診療回数も5千回近いという状況で、一人の医師だけですべての患者を診るのは限界です。非常勤の医師や複数の看護師が連携してケアを行う必要があります。患者一人ひとりに寄り添い、品質の高い医療を持続的に提供していくためには、2つのポイントがあります。

① コミュニケーション力
患者本人や家族の気持ちに寄り添った診療には、患者との距離を縮めるコミュニケーションが不可欠です。定期訪問した際、診療以外にも雑談を交えるなど、親密なコミュニケーションを取ることで信頼関係が生まれます。ご家族が介護や看護で疲れ切ってしまわないためにも、医師による臨機応変な対応が望ましいでしょう。

② 電子カルテによる情報共有
患者が安心できる在宅医療サービスを継続して提供するためには、他の医療機関やケアマネージャー、薬局の薬剤師など地域の事業所との連携が欠かせません。そのためには、患者の電子カルテの情報を、リアルタイムで共有することが必須です。

医師はクラウドにアップされた電子カルテの情報をスマートフォンやタブレットで確認し、移動中でも訪問看護師に指示を出し、迅速で的確な対応が可能です。訪問先の患者の病状や処方薬などを移動中でもチェックできるので、業務を効率化できるメリットもあります。


2. コミュニケーションに欠かせない電話を効率化

訪問診療の現場におけるコミュニケーションには、24時間対応の電話相談や緊急呼び出しの電話も含まれます。夜間や休日にかかってくる緊急コールは、医師や看護師のスマホやケータイで、持ち回りで対応します。

地域の医療機関ネットワークを利用しなくても、直接、主治医に電話がつながり連絡が取れる状態は、患者やご家族にとって安心といえるでしょう。この電話連携をスムーズにすることができるのが、転送電話サービスです。

転送録」の「転送先増設サービス」なら、当番医師のスケジュールを事前に登録して、電話転送が可能です。往診や移動中ですぐ電話に出られなくても、発信者番号がメールで通知されるので、すぐに折り返しの電話ができます。また「順次転送サービス」では、優先順位をつけて、最大10名まで追っかけ転送が可能なため、医師や看護師、ケアマネージャーなどがチームで患者やご家族に対応することができます。


3. 医療現場での転送電話の活用事例

・事例① 医療法人社団 爽秋会 様
【課題】
非常勤医師を含む医師10名・看護師28名を3チームに割り振って、夜間と土日、祝日の緊急コールに対応。輪番の看護師は5名以上いるが、ボイスワープに登録できる転送リストは5件までと不便を感じていた。

【導入後】
転送先増設サービス」の「自動スケジュール機能」により、輪番の看護師10名を自動で入れ替えて設定できるように。看護師や家族が体調不良の際も、看護師同士で連携を取り、パソコンやスマホの管理画面から当番の変更設定が可能となった。翌月分のスケジュールも、前月に一括登録できるようになり、事務局の作業負担も削減できた。

→より詳しい事例内容はこちらから


・事例② 新横浜在宅クリニック 様
【課題】
院長が電話に出られない時は、医師1名・スタッフ3名に順番に電話を転送する設定にしていたが、夜間や休日のオンコールにスピーディーに対応できる方法を探していた。

【導入後】
電話が取れなかった場合も着信番号がメールで通知されるので安心できる。医師ではなくスタッフに転送電話がつながった場合も、電子カルテを確認して的確な対応ができるようになった。患者に電話がつながる安心を与えるができ、院長にも精神的な余裕が生まれた。

→より詳しい事例内容はこちらから

→新横浜在宅クリニック”地域緩和ケア”研修会レポートはこちらから

在宅医療の現場では、電子カルテによる情報共有とともに、緊急コールへの対応も課題となっています。「転送録」なら、患者や家族からの緊急コールにも素早く対応することができます。医師や看護師、介護職員同士の連携をスムーズにし、広範囲にわたる地域をカバーした効率的な医療体制を実現できる転送電話サービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

※出典
3 高齢者の健康・福祉|平成29年版高齢社会白書(概要版) – 内閣府


TOP > コラム > 訪問看護ステーションのオンコール現場が抱える課題と解決策

訪問看護ステーションのオンコール現場が抱える課題と解決策

公開日:2019/05/13   更新日:2024/11/13

少子高齢化が進む日本では、医療需要が2025年にピークを迎える見通しが立っており、厚生労働省は病床数削減を進め、在宅医療の重要性が増しています。在宅医療に従事する医師や看護師には、24時間体制の対応体制や、夜勤での緊急対応が求められ、負担が増加しています。また、こうした負担に対し、給与や待遇が不十分な場合もあり、離職の要因となることも少なくありません。

一方、効率的な電話転送システムの導入など、医療従事者の働き方を改善する仕組みの導入にはメリットが期待されます。適切なサポート体制が整えば、医師や看護師のストレスが軽減され、より安定した在宅医療が提供できるでしょう。

本コラムでは、病床削減を背景に高まる在宅医療のニーズに対して、現場で働く医師や看護師たちの課題に触れ、事例を交えながら解決策をご紹介します。

1. 「病院から在宅へ」訪問医療拡大の背景とは

日本では少子高齢化が急速に進んでおり、2017年の推計によると、65歳以上の高齢者人口は3,514万人で、総人口の27.7%を占めています。昭和22~24年生まれの団塊の世代が、2025年には75歳以上になり、65歳以上の高齢者が全人口の30%を超えると予想されています。

都市部で要介護高齢者の入院が増えると、必要な病床数が不足する懸念がある一方で、医療施設や介護施設では慢性的な人手不足が続いており、ケアを担う人材が不足しているのが現状です。こうした状況を打開するため、厚生労働省は「地域包括ケアシステム」の構築に取り組んでいます。

この地域包括ケアシステムは、各市区町村の医師会等が協力して、地域の高齢者宅や老人ホーム等の施設へ医師や看護師が訪問し、在宅医療を提供する仕組みです。訪問医療の事業所には病院や診療所、訪問看護ステーションなどさまざまな形態があり、看護師による訪問看護や医師による訪問診療が中心です。訪問診療では、医師が診療計画を立て、通院が困難な高齢者宅を定期的に訪問し、適切な医療を提供します。

高齢者のみの世帯が増えることに伴い、入院医療から在宅医療や在宅介護へのニーズが高まっています。この地域包括ケアシステムでは、地域の医療機関や介護事業所が連携し、住み慣れた地域で生活したいと望む高齢者を効率的にサポートします。医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されることで、高齢者の生活環境に応じたきめ細かい対応が可能になります。

このように、訪問医療拡大は地域社会全体で支える在宅医療の基盤を作り、高齢者が安心して生活できる地域づくりに重要な役割を果たしています。


2. 訪問看護ステーションとオンコール体制

地域包括ケアシステムは、健康に関わるサービスを24時間受けられるのが特徴です。その中でも、緊急時の訪問が必要とされる高齢者とかかりつけ医師とを結ぶ役割を担うのが、訪問看護ステーションです。

訪問看護ステーションでは、高齢者やその家族からの緊急電話に24時間体制で対応する「オンコール体制」を整えています。病院や施設の営業時間外である祝日や夜間は、輪番の看護師や医師が専用の携帯電話を持って待機します。容態が急変して、利用者や家族から電話がかかってきた時は、すぐに駆けつける必要があります。

利用者にとっては安心できる仕組みですが、オンコール当番の医師や看護師は、いつ呼び出されるか分からない緊張感があります。仕事中はもちろんのこと、眠っている間でも携帯電話を枕元に置き、すぐに対応できる体制を保つ必要があります。深く眠ることが難しくなるため「オンコール体制」は睡眠の質も低下し、精神的にも体力的にも負担が大きいと言えるでしょう。


3. オンコール連携の現場で起きる「転送電話」の課題

往診と訪問診療のための移動で、休む時間もなく対応している医師や看護師の負担を軽減しようと、模索している医療機関もあります。例えば常勤医師とスタッフが持ち回りでオンコール対応をする等、負担を分散する工夫も必要です。医療機関の中には、最初のオンコールは訪問看護ステーションで受信し、利用者の容態によっては医師に連絡して対応しているところもあります。すべてのオンコールに医師の対応や往診が必要というわけではないので、訪問看護ステーションで看護師が対応するだけで、完結するケースもあるわけです。

オンコール体制では、医療機関と現場で働く医師や看護師との相互連携が必須ですが、連携システムの効率化に課題を抱えている医療機関は少なくありません。

各地域の訪問看護ステーションに届く利用者からの緊急コールを、最寄のエリアの医師会を経由して医師に電話転送するケースでは、訪問する医師の携帯電話には医師会の番号が着信表示されます。これではどの地域の訪問看護ステーションからの連絡か分からず、医師は迅速に折り返しの連絡をすることができません。

こうした訪問看護ステーションが抱える課題を解決した事例があります。「転送録」の「転送先増設サービス」なら、医師が往診や移動中などですぐに電話に出られなくても、発信者番号がメールで通知されるので、折り返しの連絡もスムーズに行うことができます。

また、「転送録」の050発信機能もおすすめです。外出先でも050番号を使用して発信できるため、自分の番号が伏せられ、プライバシーが守られる安心感を持って対応することができます。これにより、訪問看護ステーションや医療機関の電話対応がさらに効率的になり、業務全体のスムーズな運営をサポートします。

このように「転送録」は、転送電話機能の不便さを解消し、連携システムの効率化を実現することができます。


4. まとめ

訪問診療のニーズは高まる一方で、24時間体制で対応する診療所や訪問看護ステーションは、マンパワーの不足が懸念されています。利用者からの緊急コールに細やかに対応するためには、訪問看護ステーションと医師や看護師がスムーズに連携できるシステム構築が急務です。

クラウドサービスの「転送録」を導入することで、オンコール体制の電話転送の課題を解決できます。緊急コールがあった際に、連絡を受けた医師や看護師が速やかに折り返し対応できることは、地域の患者さんやご家族にとって大きな安心につながります。利用者にとって満足度の高い医療サービスを提供するため、また、医療従事者の心身の負担を軽減するためにも、電話転送の効率化を実現するシステムの導入をぜひご検討ください。

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TOP > コラム > 訪問介護サービスIT化への課題と現場ニーズ

訪問介護サービスIT化への課題と現場ニーズ

公開日:2019/03/25   更新日:2022/03/28

人材不足が深刻化している介護業界では介護スタッフの業務を効率化し、負担を軽減するIoT機器の導入が急務と言われています。しかし、介護スタッフの中にはそうした先端機器には無縁の人も多く、事業所自体も高価な機器の導入は難しいというのが現状です。

以下で紹介する「転送録」は、緊急時に当番スタッフに電話をつなげられるうえ、スマホやタブレットで簡単に操作できます。人手不足の介護業界において低コストで導入でき、さらには介護スタッフの負担を減らすツールの一つと言えるでしょう。

1. 日本の医療・福祉サービスは世界から見て最低水準という事実

厚生労働省の雇用政策研究会が2019年1月に発表した資料によると、日本の医療や福祉サービスにおける生産性は、欧米などの先進国と比較すると、最低水準であることがわかります。


出典:産業別購買力を加味した生産性(厚生労働省) 2019年01月25日更新

こうした現状をふまえて厚生労働省では、IT技術を使ったデータヘルス改革により、生産性の向上を図る施策を推進しています。データヘルス改革とは、介護・福祉などの医療分野においてAI(人工知能)やIoTを始めとした新しい技術を導入することで、生産性を改善し、効率の良いサービスを展開する改革案です。現在注目されているIoTとは、「Internet of Things」の略で、「モノのインターネット化」のこと。ヒトと人工知能、モノとセンサーが、インターネットでつながっている技術を指します。

介護労働安定センターが2018年8月に公表した事業所の実態を問うアンケートでは、「不足」が24.4%、「やや不足」が32.6%で、66.6%が人手不足を実感しているという結果が出ています。介護現場でIoT化が進めば、慢性的な人手不足や身体的負担を軽減することが期待できます。例えばセンサーをベッドに設置することで、夜間巡回する介護職員の数を減らすことが可能です。また、介護ロボットを使用すれば、介護スタッフの身体的な負担も軽減できます。IT技術を活用することで、重労働を理由にした離職に歯止めをかけることもできるでしょう。


2. 忙しい介護職員にIT技術を習得する時間はあるのか?

介護ロボットなどのIoT機器を導入すれば、介護職員の身体的負担が軽減され、業務効率もアップするメリットがあります。その一方で現場の介護職員が、IoT機器をきちんと運用できるかどうかという別の問題があるのも事実です。

厚生労働省が発表した資料によると、現在、介護労働者として働いている人の7割は女性です。介護施設の女性職員の32%、訪問介護の女性職員の60%は50代以上※1です。総務省のデータによると、55歳から64歳の年齢層で、インターネットを使っていない人の割合は50%強※2です。パソコン操作やインターネットに慣れてない年齢層の人が多い介護現場で、最先端のIoT機器を扱う技術を習得するのは、かなりハードルが高いと言えます。また、昨今ニーズが高まっている夜間対応型の訪問介護では、少人数で運営している事業所が大半を占めます。このような小規模の訪問介護事業所では、導入コストも大きな課題の一つと言えるでしょう。
※1 出典「介護労働の現状(厚生労働省) 」
※2 出典「平成23年版 情報通信白書|共生型ネット社会の実現に向けて」


3. 夜間対応型訪問介護の課題を解決する電話転送

夜間対応型訪問介護では、介護者から緊急時に電話があった時に、それに対応するサービスを行います。夜間や祝日は、少人数のスタッフが持ち回りで対応する体制の事業所が多いようです。このような体制が常態化している中では、介護現場の業務効率アップを実現するツールの導入が急務であることが伺えます。

ただし、新しいツールを導入する場合は、機械にあまり詳しくない介護職員やスタッフがすぐに扱える「運用のしやすさ」と、「低コスト」で導入できることが大切であることを忘れてはいけません。以下でご紹介する「電話転送」は、この2つのポイントを兼ね備えているツールと言えます。

通常、事務所宛てにかかってきた電話は、持ち回りのスタッフの携帯電話に転送されます。従来のボイスワープでは、毎日当番のスタッフを登録し直す必要があり、手間がかかりました。また、持ち回りの当番が5名以上いるにもかかわらず、ボイスワープでは5件までしか転送先を設定できないという問題もありました。こうした登録リストの不足、転送先登録の手間といった問題を、「転送録」の導入により、解決した事例があります。

転送録」は、パソコンやスマホで管理画面を開けば、いつでもどこでも使用することができるクラウド型のサービスです。特別なソフトをインストールしたり、複雑なマニュアルを覚えたりする必要はありません。面倒な設定は一切不要で、一回線単位で利用できます。


4. まとめ

人材不足が叫ばれる介護現場の業務効率は、早急に改善する必要があります。しかし、最新のIT技術を介護現場のスタッフが使いこなせるかどうかという問題を避けて通ることはできません。また、少人数で運営している介護事業所では、低コストで、簡単に操作できるものが求められています。

その点、ワイドテックの「転送録」は、インターネットがつながる環境なら、スマートフォンやタブレットで簡単に操作でき、低コストで導入できます。介護スタッフの都合で当日の当番が交代になる場合も、スタッフ同士が連携して、Web上の管理画面で担当者を変更することができます。任意の数で転送先を登録できるので、スタッフの数が増えた時にも対応可能です。また、翌月のスタッフのシフトやスケジュールも事前に一度で登録することができます。

限られた時間を有効活用でき、夜間対応に従事する輪番スタッフの負担を軽減できるのは「転送録」の大きな魅力と言えるでしょう。利用者の方も、当日の担当者に電話がつながりやすいため、安心できます。介護スタッフにとっても使いやすく、また緊急時に介護者への臨機応変な対応が可能な低コストサービスの導入を、検討してみてはいかがでしょうか。