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緊急時の電話対応における課題と改善方法とは

訪問看護・介護の現場に欠かせない
緊急時の電話対応における課題と改善方法とは

公開日:2022/06/23   更新日:2024/11/13

訪問看護・介護の現場に欠かせない緊急時の電話対応における課題と改善方法とは

少子高齢化の影響により、看護職員や介護職員が提供する訪問看護と訪問介護のニーズが増加しています。それに伴い、病院やデイサービスといった看護や介護サービスの現場では、職員一人ひとりの負担が増しています。特に利用者からの緊急時の電話対応が日々の業務に加わることで、現場の負担がさらに大きくなっている状況です。

本記事では、訪問看護と訪問介護業界の現状を紹介するとともに、少しでも現場の負担を減らすソリューションを紹介します。

1. 訪問看護・訪問介護とは

訪問看護・訪問介護とは

「訪問看護」とは、患者が住み慣れた自宅で療養生活を送れるよう、訪問看護師が医療行為を行うサービスです。一方、「訪問介護」とはケアマネジャーが作成したケアプランに基づき、介護ヘルパーが利用者の自宅を訪問して介助を行うサービスのことを意味します。一見、「訪問看護」と「訪問介護」は共通のサービスであると思われがちですが、訪問介護では医療行為が行えない点が異なります。そのため、サービス内容やそれに対する診療報酬の仕組みも異なり、提供する機関も異なります。

ここでは、訪問看護と訪問介護の概要についてそれぞれ解説します。

訪問看護・介護を行う機関

訪問看護と訪問介護を提供している機関は異なります。特に以下のような機関で運営されています

<訪問看護>

  • 訪問看護ステーション
  • 保険医療機関
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 看護小規模多機能型居宅介護
  • 民間企業の訪問看護サービス

<訪問介護>

  • 地域密着型サービス事業所
  • 居宅サービス事業所
  • 居宅介護支援事業所

訪問看護 ・介護 の内容

前述した通り、訪問看護では医療行為が行えますが、訪問介護では行えません。そのため、それぞれのサービス内容は大きく異なります。

訪問看護の主なサービスとしては、食事や排せつなどの介助をはじめ、主治医の指示に基づく医療処置、たとえば点滴や注射、痰吸引といった医療行為を自宅で受けられることが挙げられます。また、運動能力の回復に向けたリハビリも提供されるため、利用者の生活全体におけるトータルケアが可能です。サービスの利用頻度は、介護保険や医療保険の加入状況および支払額によって異なります。

一方、訪問介護の主なサービスは、身体介護と生活援助の二つに大きく分けられます。身体介護とは、身体が不自由なことによって日常生活に支障が発生する部分をサポートするサービスです。生活援助とは、日常生活で必要な家事をサポートすることです。サービスを受けられる頻度はケアマネジャーが作成したプランに基づき、適切な対応体制が整えられます。訪問介護と訪問看護が連携し、利用者の健康と生活全体に対するトータルケアを提供するためには、チーム内でのコミュニケーションが重要です。

2. 訪問看護や訪問介護が求められる理由

訪問看護や訪問介護が求められる理由

高齢化の影響で高齢者の増加しているため、要介護認定を受ける人数が年々増えています。医療機関や介護施設で要介護者を受け入れられる人数には限りがあることから、訪問看護や訪問介護の重要性が増しているのです。また、核家族化の進行により、家族が要介護者のお世話をする機会が少なくなりつつあることも、訪問看護と訪問介護のニーズを高める要因といえるでしょう。

これらの背景から、利用者の症状や状態に応じた適切なケアを継続的に提供し、迅速に対策を行うことが必要とされています。訪問看護や訪問介護は、利用者の状態を適切に判断し、安心して生活を続けられるよう支援する役割を担っています。

3. 訪問看護・介護に欠かせない「オンコール」

訪問看護・介護に欠かせない「オンコール」

訪問介護と訪問看護の現場では、患者や要介護者の体調や状態が急変するなどの理由で緊急対応が必要になることも少なくありません。こうした緊急事態に備えるために、医療機関や介護施設では、「オンコール体制」という勤務体系を採用しています。「オンコール体制」とは、緊急時にいつでも駆けつけ迅速に対応できるよう、看護師や介護士が携帯電話を持ち、自宅や施設の近隣で 待機する仕組みです。

オンコール体制で勤務する職員は、いつでも連絡を受けられるよう日中も待機し、呼び出しがあればすぐに現場に向かえる準備をしておく必要があります。この体制は、24時間365日、患者や要介護者を見守る必要がある訪問看護と訪問介護において大切な仕組みです。これにより、利用者が安心して生活できる環境を提供し、サービスの質向上に向けた改革も期待されています。豊富な経験を持つスタッフが支えるこの体制は、訪問看護・介護に欠かせない支えとなっています。

4. 現場が抱える緊急時の電話対応における課題と解決策

現場が抱える緊急時の電話対応における課題と解決策

訪問看護や訪問介護の現場に欠かせないオンコール勤務ですが、オンコールで発生する電話対応には課題があります。特に以下のような課題が挙げられます

<オンコール勤務における電話対応の課題>

  • 輪番の看護師や医師にかかる負担
  • すぐに電話に出られない状況の発生
  • 転送電話の設定の手間と不便さ
  • 端末の持ち回り漏れ

ここでは、それぞれの課題の詳細について見ていきます。

輪番の看護師や医師にかかる負担

オンコール勤務に就いた看護師や医師は、いつでも駆けつけられるように職場近くで準備を整えておく必要があります。そのため、自宅で待機している場合でも、いつ電話がかかってくるか分からず、常に心理的なプレッシャーを抱えることになります。また、別の業務中に連絡が来ても在宅医療の現場や要介護者のもとへ駆けつけなければならず、オンコールを見越したタスク管理が求められます。

また、医療機関や介護施設によってはオンコール勤務に対する割増手当を設けていることからも、オンコール勤務は看護師や医師の働き方における大きな負担となっていると考えられます。

すぐに電話に出られない状況の発生

人手不足に悩む医療機関では、急患が発生した場合や職員が不在の場合などに受電できる人がいない時間帯があり、電話対応が困難になることがあります。特に夜間はシフトの関係で勤務している職員の数が限られているため、すぐに電話に出られない状況が起こりやすいです。また、医療機関への電話は緊急を要するものがほとんどであることから、タイミングによっては電話に出られず迅速な対応が難しい場面もあります。

電話にすぐ出られないことは、電話をかけた側に不安を与えてしまう一方で、現場では対応が難しいのが実情です。

転送電話の設定の手間と不便さ

医療機関や介護施設の中には、すでに転送電話の仕組みを導入しているところもありますが、転送設定の変更に対して使いにくさを感じていることも少なくありません。例えば転送電話の設定においては、当番のスタッフの電話番号を毎回登録する手間があります。 

このような転送電話における課題を解決するには、幅広い用途に対応した転送電話サービスである「転送録」のようなサービスを選ぶことが重要です。

端末の持ち回り漏れ

社用オンコール用の端末を持ち回りで使用している場合には、担当者が端末の引継ぎを忘れて間違えて持って帰ってしまう、という状況も多く発生しています。このような状況では、急な電話対応が必要な場合に連絡が取れないリスクを伴います。

転送録を活用することで、複数の転送先を登録し、端末に依存せずにスムーズな電話対応を可能にします。これにより、持ち回りによる連絡不通や対応漏れのリスクを軽減できます。

※参考:医療現場が抱える問題点については、こちらのページ「看護師の人手不足の原因とは|医療現場が抱える問題点とその解決策も紹介」でも解説しています。

5. 訪問医療現場の電話対応の課題は「転送録」で解決できる!

医療事務の業務効率化には「転送録」

人手不足が深刻化する訪問看護や訪問介護の現場では、電話対応の負荷を軽減することが急務です。電話対応にまつわる課題は、「転送録」を使うことで解決できます。ここでは、「転送録」を使ってできることや導入事例について紹介します。

「転送録」でできること

「転送録」とは、株式会社ワイドテックが提供するクラウド型多機能電話転送サービスのことです。

具体的には、代表電話にかかってくる電話を営業時間に合わせて転送の切替を自動で行ったり、複数名で対応ができる現場ではあらかじめ設定した優先順位で電話を転送する(順次転送)、あるいは複数の番号を同時に呼び出す(一斉呼出転送)などのサービスをご提供しています。

その他にも、ボイスワープの電話切替を自動化する(電話転送切替)や、ボイスワープの転送先の件数を増やす(転送先増設)といったサービスも提供しています。これら複数のサービスを組み合わせて利用することで、電話転送に関する課題の解決に役立てていただけます。

転送録によって課題を解決した事例

新横浜在宅クリニック様では、訪問医療も含めて24時間365日の相談対応を行っており、電話相談に対して時間ロスが発生することに課題を持たれていました。この課題を解決するために「転送録」を活用し始めました。

「転送録」の活用方法として、基本的な電話の受け手は院長のままとしつつ、院長につながらない場合は、順次指定したスタッフに転送されるよう設定しました。これによって、問い合わせが立て込んだ際も確実に電話がつながるようになったほか、チーム全体で電話対応ができるため、看護師や医師の心理的な負担軽減、患者様の「つながらない不安」を解消できました。新横浜在宅クリニックの導入事例については、こちらのページをご覧ください。

6. まとめ

訪問看護・介護の現場に欠かせない緊急時の電話対応における課題と改善方法とは

少子高齢化が進んでいる令和の日本では、訪問看護と訪問介護のニーズが高まっており、それに伴い従事する職員の負担も増加しています。特に緊急時の電話対応は、医療現場での人手不足が顕著に表れ、大きな負担となっているのが現状です。

このような負担を軽減するためには、現場に適した電話転送サービスを導入し、丁寧で迅速な取次ぎができる環境を整えることが求められます。また、現場での実務に役立つ転送サービスを導入することで、対応効率の向上が期待できます。

そこでおすすめできるのが、株式会社ワイドテックが提供している「転送録」です。「医療」「看護」「介護」業界での豊富な導入実績と手頃な値段で、現場の電話対応をバックアップできます。「転送録」を活用することでスタッフの負担を減らしつつも、患者を待たせることなくスムーズな電話対応を実現できます。ぜひ導入を検討してみましょう。

※機能や価格は公開日時点の情報です

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