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看護師が足りない!訪問診療の深刻な人材不足問題とその対策

公開日:2019/11/11   更新日:2022/03/28

少子高齢化が進み、在宅医療患者が増加している一方で、それに対応する診療所やクリニックの看護師の数が不足しています。医療現場での人手不足は、最重要課題の一つです。

実際に医療の現場で仕事をしている看護師は、緊急時のサポート体制に不安を抱いています。それを解決するには、医療従事者同士の連携をスムーズにすることも必要です。

1. 医療現場での深刻な人手不足が問題に

厚生労働省発表の在宅医療の最新動向によると、2025年には在宅医療患者は29~33万人に達すると推計されています。要介護認定者数は平成12年から28年までの16年間で2.85倍になり、増加ペースは拡大しています。

全国訪問看護事業協会の調査によると、訪問看護ステーションでは、看護師や准看護師、保健師が常勤換算で2.5人必要です。2017年4月時点で、全国には9,735箇所の訪問看護ステーションがあり、前年比で665箇所増加しています。1ステーションあたりの看護職員数は、常勤換算で平均4.8人と、横ばい状態なのが現状です。

今後増加する在宅医療患者数に対し、現状のステーション増加数や常勤看護師数では不足が予想されます。

在宅医療や介護サービス供給量の拡充が必須であるのに対し、病院や医療機関では、看護師の数が足りていないという現実があります。どこの病院や医療機関でも、人材確保が重要視されています。

在宅医療では、日常の療養支援だけでなく、退院支援や看取り、急変時の対応などさまざまなニーズがあります。患者に安心できるサービスを提供する一方で、それに緊急時に対応できるマンパワーの確保が困難な事業所が多いのが現状です。24時間体制で対応している在宅医療の現場では、人手不足が顕著となっています。

介護者そのものも高齢化しており、家族の介護を理由に離職する職員も増加しています。職員が不足していると、それに対応できる利用者数も限られてきます。思うように利用者獲得ができず、赤字経営が続いている訪問ステーションも少なくありません。

こうした中、医療業界では人材確保をどうするかが目下の課題となっています。医療現場での人手不足の問題を解消するためには、知識を深め、対処することが大切です。


2. 「働きたいけど不安」な看護師たち。なにが障壁になっている?

では、訪問看護を目指す求職者の数は、今後増えないのでしょうか? 転職支援サービス会社の調査によると、男女約1000人の病院勤務看護師に「訪問介護職に興味があるか?」との質問に「ある」と答えたのは全体の11.3%でした。「やや興味がある」も含めると、3割以上の人が興味を持っており、「実際に働いてみたい」と回答しました。

その一方で、クリニック勤務の看護師は、「あまり興味がない」との回答が8割を占めます。訪問看護に「興味がある」と答えた看護師はわずか4.3%にとどまりました。「訪問看護師として働く場合、不安はあるか?」との質問には、「ある」と回答したのはなんと92.6%もいたのです。

では実際に仕事をしている看護師は、訪問看護にどんな不安を抱いているのかを紹介します。例えば、「スキル不足」「「経験不足」「業務内容や待遇面」などが挙げられます。「休日や給与」などの待遇面、「他人の家を訪問することに伴う、患者やその家族との関係の難しさ」「医療機関や他のスタッフなど、関連するスタッフとの連携の難しさ」といった回答もありました。

また、山形県看護協会が実施した県内の訪問看護実態調査によると、「看護職員が足りない」と感じている訪問介護ステーションは半数以上という結果でした。常勤看護職が5人未満の小規模事業所は6割近くにのぼり、「患者数が多く対応しきれいない」という理由で、訪問看護の依頼を断った管理者は約8割というデータがあります。

日ごろから不安に思うことは?という質問で、最多の回答は「訪問時、困ってもすぐに指示がもらえず、一人で判断しなければならない」では247人中86人でした。「24時間いつも拘束されている」と答えたのは47人でした。緊急時のサポート体制や勤務体制へ不安を抱いている看護師が多い現実が見えてきます。


3. 看護師のスタイルに合わせたサポートや連携が必要に

看護師協会では、看護師不足を解消する施策として、「新人育成に力を入れる」「医療や福祉など関係機関との連携」を挙げています。臨床研修制度の中に在宅での訪問看護の研修や実習を入れるなど、新人教育の可能性を探っているところも実際にあります。

ワークライフバランスを踏まえ、多様な勤務体制を可能にする案も求められています。そうはいっても、教育体制による育成や勤務整備には時間とお金がかかります。「そんなの気長に待っていられない」という事業者も少なくないでしょう。

都市部など、近隣住民とのつながりが希薄化している地域では、家族に代わる人の支援が必要になります。医師や看護師、薬剤師、理学療法士など、複数の専門職と連携して支えていくシステムが必要です。IT技術の進歩により、電子カルテなどの患者の情報は、スマートフォンなどで医療従事者同士が共有できるようになってきました。各専門職者間の連携により、患者の容体の変化に合わせて、タイムリーに対応することが可能です。


訪問診療に求められるスムーズな連携体制

「現状の人員で効率的に訪問診療を行う施策」と「現場の医療従事者同士の連携」を、優先的に解決する手段をお探しなら、電話転送システムの導入が有効です。看護師が抱く不安の種の一つに夜間対応があります。患者からの緊急コールに待機する看護師数はエリアの訪問看護利用者130~150人に対して1人という事業所が一番多く、看護師への負担が懸念されます。第一当番にかかってくる緊急コールに出られない場合は、2番目に待機している当番の携帯電話へ転送する、または当番医師につながるといったようにスムーズな連携体制が必要です。

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