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安心につなげる在宅医療を実現する2つのポイントとは?

公開日:2019/10/07   更新日:2022/03/25

住み慣れた自宅で療養する患者にとって不可欠なのが、在宅医療クリニックの訪問診療です。国の施策により入院医療から在宅医療・在宅介護が増加していく中で、患者の在宅療養をサポートする24時間対応の医療に対するニーズがさらに高まっています。

電子カルテやスマートフォンといったIT技術を駆使したツールを利用し、院外にいても医療者同士での患者の情報共有・スムーズな連携を実現していますが、クリニックごとの連絡体制の違いや在宅医療を利用する患者と家族の要望などにより現場の課題は山積みです。

医師や看護師の連携体制をスムーズにし、理想的な在宅医療の実現・維持をしていくための方法について、ご紹介します。

1. 品質の高い在宅医療を実現する2つのポイント

高齢化が進んでいる現代社会では、在宅医療のニーズが高まっています。高齢者を対象とした意識調査では、自宅で最期を迎えたいという方が半数を超えています※。筋萎縮性側索硬化症(ALS)やパーキンソン病などの神経難病、障がいがある方、ケガの後遺症により通院が困難な方は、自宅で定期的に継続診療を受ける必要があります。

在宅医療クリニックでは、緊急時においても24時間対応で患者宅に訪問し診療を行っていますが、在宅医療を担う医師の数が不足するという大きな課題を抱えています。

首都圏のとあるクリニックでは診療患者数が200人以上、訪問診療回数も5千回近いという状況で、一人の医師だけですべての患者を診るのは限界です。非常勤の医師や複数の看護師が連携してケアを行う必要があります。患者一人ひとりに寄り添い、品質の高い医療を持続的に提供していくためには、2つのポイントがあります。

① コミュニケーション力
患者本人や家族の気持ちに寄り添った診療には、患者との距離を縮めるコミュニケーションが不可欠です。定期訪問した際、診療以外にも雑談を交えるなど、親密なコミュニケーションを取ることで信頼関係が生まれます。ご家族が介護や看護で疲れ切ってしまわないためにも、医師による臨機応変な対応が望ましいでしょう。

② 電子カルテによる情報共有
患者が安心できる在宅医療サービスを継続して提供するためには、他の医療機関やケアマネージャー、薬局の薬剤師など地域の事業所との連携が欠かせません。そのためには、患者の電子カルテの情報を、リアルタイムで共有することが必須です。

医師はクラウドにアップされた電子カルテの情報をスマートフォンやタブレットで確認し、移動中でも訪問看護師に指示を出し、迅速で的確な対応が可能です。訪問先の患者の病状や処方薬などを移動中でもチェックできるので、業務を効率化できるメリットもあります。


2. コミュニケーションに欠かせない電話を効率化

訪問診療の現場におけるコミュニケーションには、24時間対応の電話相談や緊急呼び出しの電話も含まれます。夜間や休日にかかってくる緊急コールは、医師や看護師のスマホやケータイで、持ち回りで対応します。

地域の医療機関ネットワークを利用しなくても、直接、主治医に電話がつながり連絡が取れる状態は、患者やご家族にとって安心といえるでしょう。この電話連携をスムーズにすることができるのが、転送電話サービスです。

転送録」の「転送先増設サービス」なら、当番医師のスケジュールを事前に登録して、電話転送が可能です。往診や移動中ですぐ電話に出られなくても、発信者番号がメールで通知されるので、すぐに折り返しの電話ができます。また「順次転送サービス」では、優先順位をつけて、最大10名まで追っかけ転送が可能なため、医師や看護師、ケアマネージャーなどがチームで患者やご家族に対応することができます。


3. 医療現場での転送電話の活用事例

・事例① 医療法人社団 爽秋会 様
【課題】
非常勤医師を含む医師10名・看護師28名を3チームに割り振って、夜間と土日、祝日の緊急コールに対応。輪番の看護師は5名以上いるが、ボイスワープに登録できる転送リストは5件までと不便を感じていた。

【導入後】
転送先増設サービス」の「自動スケジュール機能」により、輪番の看護師10名を自動で入れ替えて設定できるように。看護師や家族が体調不良の際も、看護師同士で連携を取り、パソコンやスマホの管理画面から当番の変更設定が可能となった。翌月分のスケジュールも、前月に一括登録できるようになり、事務局の作業負担も削減できた。

→より詳しい事例内容はこちらから


・事例② 新横浜在宅クリニック 様
【課題】
院長が電話に出られない時は、医師1名・スタッフ3名に順番に電話を転送する設定にしていたが、夜間や休日のオンコールにスピーディーに対応できる方法を探していた。

【導入後】
電話が取れなかった場合も着信番号がメールで通知されるので安心できる。医師ではなくスタッフに転送電話がつながった場合も、電子カルテを確認して的確な対応ができるようになった。患者に電話がつながる安心を与えるができ、院長にも精神的な余裕が生まれた。

→より詳しい事例内容はこちらから

→新横浜在宅クリニック”地域緩和ケア”研修会レポートはこちらから

在宅医療の現場では、電子カルテによる情報共有とともに、緊急コールへの対応も課題となっています。「転送録」なら、患者や家族からの緊急コールにも素早く対応することができます。医師や看護師、介護職員同士の連携をスムーズにし、広範囲にわたる地域をカバーした効率的な医療体制を実現できる転送電話サービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

※出典
3 高齢者の健康・福祉|平成29年版高齢社会白書(概要版) – 内閣府