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システムや仕組みを理解し最適なサービスを選択

固定電話の電話転送サービスとは?
システムや仕組みを理解し最適なサービスを選択

公開日:2017/04/19   更新日:2024/09/04

固定電話の電話転送サービスとは?システムや仕組みを理解し最適なサービスを選択

目次
  1. 電話転送サービスとは
    • ― 電話転送サービスの利用シーン
    • ― 電話転送サービスを利用するメリット
  2. 電話転送サービスの主な転送方法
    • ― 直接転送(無条件転送)
    • ― 条件付き転送
    • ― 順次転送(シーケンシャル転送)
    • ― 並列転送(サイマル転送)
  3. 電話転送サービスの種類
    • ― オンプレミス型電話転送サービス
    • ― クラウド型電話転送
    • ― 電話転送サービス「ボイスワープ」とは
  4. 電話転送サービスの料金と利用開始方法
  5. 電話転送サービス選びのポイント
    • ― 機能比較の要素
    • ― マルチキャリアかどうかの確認
    • ― 信頼性、料金、サポート体制の確認
    • ― トライアルでの確認
  6. ありそうでなかった転送の自動化「転送録」もおすすめ

ビジネスでアポイントメントを取ったり、お客様とやり取りをしたりする際に、電話は欠かせないツールです。インターネットを活用したマーケティングを行う企業も少なくありませんが、電話にはお客様の声を直接聞くことができるというメリットがあります。
しかし、担当者が外出中の場合、固定電話にかかってきたお客様からの電話に出ることができず、せっかくのビジネスチャンスを逃してしまう可能性があります。

このようなときに便利なサービスが電話転送サービスです。
ここで取り上げる電話転送サービスとは、オフィスの固定電話への着信をモバイル端末や別の固定電話へと自動的に転送する技術です。このサービスにより、オフィスにいなくても顧客とのコミュニケーションを途切れさせずに対応することが可能です。

本記事では、電話転送サービスの導入を検討している方に向けて、システムや仕組みを詳しく解説し、このサービスがどのようにビジネスに活用できるのかを説明します。

1. 電話転送サービスとは

電話転送サービスとは

電話転送サービスは、受けた電話を指定された別の電話番号(携帯電話、他の内線番号、外部の番号など)に自動的に転送する機能です。

このサービスは効率的なビジネス運営と顧客満足度の向上に寄与する重要なツールです。電話転送サービスを利用することで、連絡の取りこぼしを防ぎ、効率的なコミュニケーションが実現します。

電話転送サービスの利用シーン

電話転送サービスが最も活用されているのは、営業などでの外出時や出張中です。オフィスや店舗の固定電話にかかってきた、お客様や取引先からの重要な電話を逃さないために、携帯電話や他のオフィスに転送して用いられています。

その他、以下のようなシーンでも活用されています。

  • 柔軟な働き方の実現・・・テレワークや在宅勤務時に、オフィスにかかってきた電話を、スマートフォンや携帯電話に転送して対応します
  • コールセンター運営・・・コールセンターのオペレーターが多忙なときや、特定のスキルを持つオペレーターに対応を任せたいときに、電話を転送することで効率的に業務を処理します
  • 営業時間外の対応・・・営業時間外や休日に電話がかかってきた場合、担当者の携帯電話に転送して、重要な連絡に迅速に対応します
  • オンコール対応・・・インフラの管理や医療、保安センターなど、緊急対応が必要な業種では、常に緊急事態に対応できるように、24時間365日体制で特定の担当者が常に連絡を受け取れるようにしています
  • 電話代行業のクライアント対応・・・クライアントが複数の拠点を持つ場合、各拠点の電話を一つの窓口に集約し、必要に応じて担当拠点や担当者に転送します。その他、営業時間外の対応などにも活用されています

電話転送サービスを利用するメリット

前述の「利用シーン」の通り、電話転送サービスを活用すると、外出先や営業時間外でも、大事な電話を取りこぼさず対応できるようになります。

個人事業主やフリーランス、成長過程にあるスタートアップ等の小規模事業者は、人件費を抑えたスモールビジネスを展開しています。このような店舗や事務所に常駐するスタッフに限りがある場合にも、電話転送サービスは大いに活用できます。

現代のビジネス環境において、顧客対応のスピードと効率性は企業の競争力に直結します。外出中やオフィスを離れている時でも、電話転送サービスを活用すれば、顧客対応の迅速化、業務の効率化、そしてビジネスチャンスの最大化が実現できます。

  • 機会損失を防ぐ・・・外出先でもオフィスの電話に柔軟に対応できるため、電話の取りこぼしによる機会損失を防げます
  • カスタマーサービスの向上・・・顧客からの電話を逃さず、サービスの質を向上させます
  • 作業の効率化・・・忙しいときや話中の場合でも、別の対応可能なスタッフに転送して、業務の滞りを防ぎます

電話転送サービスを活用することで、ビジネスの信頼性を向上させるとともに、顧客満足度も大幅に高めることが期待できます。連絡が迅速で確実であることで、顧客や取引先からの信頼を得ることができ、業務の効率化にも貢献します。

ここからはビジネスに役立つ電話転送サービスの導入を検討されている方に向けて、サービスの種類や選び方をご紹介します。

2. 電話転送サービスの主な転送方法

電話転送サービスの主な転送方法

電話転送サービスについて、大まかな内容を述べましたが、取り巻くビジネス環境の複雑化に伴い、さまざまな転送方法が用意されています。代表的なものをご紹介します。


直接転送(無条件転送)

直接転送は、すべての電話を特定の番号に自動的に転送する方法です。電話をかけてきた相手がどの番号にかけたかに関係なく、指定された転送先の番号に着信が転送されます。

  • 利用シーン・・・営業担当者が外出する時に、オフィスの固定電話を全て自身の携帯電話に転送し、お客様からの電話に逃さず対応できるようにする

条件付き転送

条件付き転送は、特定の条件が満たされた場合にのみ電話が転送されます。これには次のような転送方法があります。

  • 利用シーン・・・営業時間外に固定電話にかかってきた電話をオンコール担当者に転送する、ピークタイムの電話を別の部署の固定電話や携帯電話に転送して対応する、など、状況に応じて柔軟に電話対応ができるようにする

順次転送(シーケンシャル転送)

順次転送は、複数の転送先番号を設定し、順番に電話を転送する方法です。最初の転送先が応答しない場合、次の転送先に電話が回されます。

  • 利用シーン・・・医療や介護、保安センター、ITシステム管理など、必ず電話に出る必要がある場合に、複数の番号に転送することで、電話を取りこぼすリスクを限りなく減少させる

並列転送(サイマル転送)

並列転送は、同時に複数の転送先に着信を転送する方法です。例えば、オフィスの代表電話にかかってきた電話が、同時に複数の担当者の電話に転送され、最初に応答した人が対応します。

  • 利用シーン・・・コールセンターやサポートチーム、システム障害や災害などの緊急時、繁忙期のお問い合わせ窓口など、素早く対応する必要がある場合に、着信から対応までの時間を短縮できる

3. 電話転送サービスの種類

話転送サービスの種類

電話転送サービスには大きく分けて、オンプレミス型とクラウド型のサービスがあり、それぞれに独自の特徴と利点があります。利用するシチュエーションや目的に応じて、最適な電話転送サービスを選ぶことが重要です。

オンプレミス型電話転送サービス

オンプレミス型電話転送サービスは、企業が自社内に設置した電話交換機(PBX)やその他の通信インフラを用いて運用されます。

主な特徴

  • 企業がハードウェアやソフトウェアを直接管理するため、カスタマイズ性が高い
  • 拡張性が高く、大規模回線(数千回線規模)に対応が可能
  • 本社(本部)で電話番号の一括管理ができるため、拠点側の業務軽減となる
  • 金融業界をはじめ、インターネットに接続できない等セキュリティ要件が厳しい業界や企業、特殊な運用を必要とする企業に最適
  • クローズド環境で利用可能なため、通信の安全性を自社でコントロールでき、外部の影響を受けにくい
  • 初期費用や運用・保守費用が必要

クラウド型電話転送

クラウド型の電話転送サービスは、クラウド上で管理される電話転送システムです。オンプレミスのハードウェアに依存せず、インターネット接続を通じて柔軟に転送設定を行うことができます。

主な特徴

  • 固定電話のインフラや専用機器、運用保守管理が不要のため、気軽に導入できる
  • 場所を選ばずサービスにアクセスできる
  • 拡張性が高く、必要な機能に応じてサービスを柔軟に利用できる
  • 初期費用の負担が軽いが、サブスクリプションの利用料が必要

電話転送サービス「ボイスワープ」とは

電話転送サービスと言えば、NTT東日本およびNTT西日本が提供する『ボイスワープ』が最も広く知られており、オフィスや店舗などビジネスシーンに限らず、自宅の固定電話でも利用されています。

ボイスワープの設定はシンプルで、電話機の操作や専用のWebページから行うことができます。転送方法も複数のオプションがあるため、目的やニーズに合わせて最適な方法を選択できます。月額料金と操作性や機能を総合的に見ると、コストパフォーマンスに優れたサービスです。

NTT東/西のボイスワープの中にも「ひかり・アナログ・ISDN」の種類がありますし、NTT以外のキャリアが同等のサービスを提供しています。(KDDI「着信転送サービス」やソフトバンク「多機能転送サービス」など)

多くの電話転送サービスに共通しますが、転送先への通話料金が必要なため、頻繁に転送を利用する場合には料金が高くなる可能性があり、事前に確認が必要です。

また、転送先に設定できる件数に上限があることも注意が必要です。ボイスワープの場合には、最大5件までの転送先しか登録できないため、電話当番をローテーションするなど自由度を高めたい場合には、転送先件数を増設するサービスとの併用をお勧めします。

4. 電話転送サービスの料金と利用開始方法

電話転送サービスの料金と利用開始方法

電話転送サービスを導入する際には、料金体系や利用開始方法を理解することが重要です。サービスごとにプランやオプションは異なります。導入後のトラブルを防ぎスムーズにサービスを開始するために、自社のニーズや使用頻度に合ったプランを選ぶことが求められます。

たとえば、基本料金に加えて転送先への通話料金が別途発生する場合があるため、予想される利用頻度に応じたコスト計算を行うことが重要です。

次に利用開始方法についてです。クラウド型のサービスであれば、インターネット上で簡単に設定ができる場合が多いですが、オンプレミス型のシステムを導入する場合は、初期設定やメンテナンスが必要になることがあります。また、複雑な設定が必要な場合や、特殊な転送条件を設定したい場合は、サポート体制が整っているプロバイダーを選ぶことが望ましいです。

導入後も、サービスの管理や設定変更がしやすいかどうか、また、将来的なニーズの変化に対応できるかも検討ポイントです。柔軟な設定や拡張性を備えたサービスを選ぶことで、業務効率を最大化し、顧客対応力の向上を図ることが可能です。

5. 電話転送サービス選びのポイント

ビジネスのニーズに合った最適なサービスを選ぶために考慮すべき主なポイントをご紹介します。

機能比較の要素

電話転送サービスを選択する際、各サービスの機能を比較することが重要です。
各サービスにはそれぞれ異なる機能があり、利用目的やビジネスニーズによって最適な選択肢が異なるためです。また、機能の違いによって効率性やコストパフォーマンスが変わることも考慮すべきです。

(機能比較の具体例)

  • ・固定電話から携帯電話に転送できるか
  • ・順次転送や並列転送など、希望する転送方法ができるか
  • ・通話録音機能や自動応答機能など、必要な機能が備わっているか
  • ・スケジュール機能など、設定にかかる負担を軽減する機能があるか

マルチキャリアかどうかの確認

電話転送サービスはNTT東/西の「ボイスワープ」を筆頭に、複数のキャリアがサービスを展開しています。それらの設定作業を自動化・スケジュール化するサービスを検討する場合には、マルチキャリアかどうかの確認が重要です。

1つの企業内であっても、全国の支店が同一キャリアのサービスを使用しているとは限りません。
マルチキャリア対応のサービスを選ぶことで、複数のキャリア間で一貫した設定管理やスケジュールの自動化が可能となり、業務の効率化を図ることができます。

信頼性、料金、サポート体制の確認

電話転送サービスを選ぶ際には、信頼性、料金、そしてサポート体制をしっかりと確認する必要があります。信頼性や料金、サポート体制が異なることで、サービスの質やコストパフォーマンスに大きな影響を与えるためです。

例えば、サービスの信頼性が高い企業を選ぶことで、転送エラーや障害が少なく、スムーズな業務運営が可能です。また、料金が明確でないと予算オーバーになることがあり得ます。さらに、24時間サポートを提供している会社を選べば、問題が発生した時にも迅速に対応してもらえます。
信頼できるサービス、適切な料金、しっかりしたサポート体制を持つ電話転送サービスを選びましょう。

トライアルでの確認

電話転送サービスの導入を検討している方には、まずはトライアルの利用を強くお勧めします。トライアル期間を活用することで、実際の業務フローにおけるサービスの使い勝手や、機能が自社のニーズに合っているかを確認できます。

電話転送サービスは、企業の業務プロセスに直接関わる重要なツールです。そのため、導入前に実際の運用環境でどのような効果が得られるかを確認することが重要です。トライアルを行うことで、転送のスピードや通話品質、システムの安定性など、日常の業務において必要な性能が満たされているかを確認できます。従業員から評価を得ることも、導入後の運用の面で重要です。

6. ありそうでなかった転送の自動化「転送録」もおすすめ

固定電話の電話転送サービスとは?システムや仕組みを理解し最適なサービスを選択

固定電話の電話転送サービスは、現代のビジネス環境において、場所にとらわれずに業務を行うための重要なツールです。システムや仕組みをしっかりと理解し、企業のニーズに最も適したサービスを選ぶことで、効率的なコミュニケーションと業務運営を実現できます。

この記事では、電話転送サービスの基本的な概念から、ビジネスにおける利点、具体的な活用法、そして選び方のポイントまで幅広く解説しました。電話転送サービスの導入を検討している方は、まず無料トライアルやデモを利用して、自分のビジネスに合ったサービスを見つけましょう。

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無料でトライアル(サービス試用)もできますので、電話転送サービスの導入を検討されている場合にはぜひお気軽にトライアルをご利用ください。