固定電話の電話転送とは?
自動転送の仕組みとサービスの最適な選び方

- 電話転送サービスとは
- ― 自動転送の仕組み
- ― 電話転送サービスの利用シーン
- ― 電話転送サービスを利用するメリット
- 電話転送サービスの主な転送方法
- ― 直接転送(無条件転送)
- ― 条件付き転送
- ― 順次転送(シーケンシャル転送)
- ― 並列転送(サイマル転送)
- 電話転送サービスの種類
- ― 代表的なサービス「ボイスワープ」
- ― その他の電話転送サービス「オンプレミス型」「クラウド型」
- 電話転送サービスの料金と利用開始方法
- 電話転送サービス選びのポイント
- ― 機能比較の要素
- ― マルチキャリアかどうかの確認
- ― 信頼性、料金、サポート体制の確認
- ― トライアルでの確認
- ありそうでなかった転送の自動化「転送録」もおすすめ
営業時間外(夜間や休日)にも固定電話にかかってくる顧客からの連絡に対応したい――。しかし、どのように体制を整えるべきか、その仕組みづくりに悩む企業は少なくありません。特に人手不足のなかで、限られたスタッフに過度な負担をかけずに運用する方法を模索しているケースも多く見られます。
その解決策となるのが 電話転送サービスです。オフィスの固定電話にかかってきた着信を、担当者の携帯電話や委託先へ自動的に転送することで、営業時間外でも重要な連絡に確実に対応できます。
本記事では、電話転送サービスの基本的な仕組みや種類を整理し、業務効率化や顧客満足度向上につながる活用ポイントをご紹介します。自社の運用に最適なサービス選定の参考にしてください。
1. 電話転送サービスとは
電話転送サービスとは、オフィスや店舗の固定電話にかかってきた着信を、あらかじめ指定した別の電話番号へ自動的に転送する仕組みです。
転送先は携帯電話、別拠点の固定電話、コールセンターなど柔軟に設定でき、場所や時間を問わず顧客対応を継続することができます。
この仕組みにより、外出や拠点不在といった状況でも、重要な連絡を逃すことなく対応できる体制を整えることが可能です。人員配置の効率化や機会損失の防止に直結するため、現在では多くの企業で欠かせないサービスとなっています。
電話転送の仕組み
電話転送の仕組みはシンプルです。
着信した電話は、一度通信事業者(キャリア)の交換機で受け付けられ、事前に設定された条件に従って別の番号へ転送されます。
基本の流れ
1.顧客がオフィスの固定電話番号へ発信
2.交換機が着信を受理
3.設定された転送条件(無条件転送/不在時転送など)に基づき、指定番号へ転送
4.担当者のスマホや携帯電話、別拠点の固定電話で着信を受け、対応可能に
この仕組みのポイントは、「固定電話の設置場所にとらわれず、柔軟に電話対応ができる」 という点です。
あらかじめルールを設定しておけば、オフィス以外の場所でも着信をスムーズに受けられるため、拠点をまたいだ運用や外出先での対応にも対応できます。結果として、固定電話中心の従来の体制に比べ、より機動的で効率的な電話対応が可能になります。
電話転送サービスの利用シーン
電話転送サービスが最も活用されているのは、営業などでの外出時や出張中です。オフィスや店舗の固定電話にかかってきた、お客様や取引先からの重要な電話を逃さないために、携帯電話や他のオフィスに転送して用いられています。
その他、以下のようなシーンでも活用されています。
- 柔軟な働き方の実現・・・テレワークや在宅勤務時に、オフィスにかかってきた電話を、手元にあるスマートフォンや携帯電話に転送して対応します
- 営業時間外の対応・・・営業時間外や休日に電話がかかってきた場合、担当者の携帯電話に転送して、重要な連絡に迅速に対応します
- オンコール対応・・・インフラの管理や医療、保安センターなど、緊急対応が必要な業種では、常に緊急事態に対応できるように、24時間365日体制で特定の担当者が常に連絡を受け取れるようにしています
- 電話代行業のクライアント対応・・・クライアントが複数の拠点を持つ場合、各拠点の電話を一つの窓口に集約し、必要に応じて担当拠点や担当者に転送します。その他、営業時間外の対応などにも活用されています
- コールセンター運営・・・コールセンターのオペレーターが多忙なときや、特定のスキルを持つオペレーターに対応を任せたいときに、電話を転送することで効率的に業務を処理します
電話転送サービスを利用するメリット
前述の「利用シーン」の通り、電話転送サービスを活用すると、外出先や営業時間外でも、重要な電話を取りこぼさず対応できます。
特に、個人事業主やフリーランス、スタートアップ等の小規模事業者にとっては有効です。限られた人員で業務を回す必要がある中、電話転送サービスを導入すれば、顧客からの連絡を逃さず効率的に対応できます。
現代のビジネス環境において、顧客対応のスピードと効率性は企業の競争力に直結します。電話転送の仕組みをビジネスに組み込むことで、迅速な顧客対応、業務の効率化、そしてビジネスチャンスの最大化が実現できます。
主なメリットは以下の通りです。
- 機会損失を防ぐ・・・顧客からの着信を確実に受けられる体制を整え、商談や問い合わせのチャンスを逃さない
- 顧客対応品質の向上・・・電話がつながりやすい体制を整えることで、顧客満足度が高まり、信頼関係の強化につながる
- 人員配置の効率化・・・全ての電話を一人に集中させる必要がなく、状況に応じて柔軟に転送することで、限られた人員でも効率的に業務を回せる
- 業務の停滞防止・・・忙しいときや話中でも、他の担当者に転送できるため、対応の滞りを防ぎ、業務全体の流れを維持できる
電話転送サービスを活用することで、大事な電話を取りこぼさず、機会損失を防ぎ、売上につなげることができます。さらに、連絡が迅速かつ確実になることで、顧客や取引先からの信頼を得られ、結果として顧客満足度の向上や業務効率化にも大きく貢献します。
2. 電話転送サービスの主な転送方法
電話転送サービスには、利用目的や業務環境に応じていくつかの方式があります。
直接転送(無条件転送)
直接転送は、すべての電話を特定の番号に自動的に転送する仕組みです。電話をかけてきた相手がどの番号にかけたかに関係なく、指定された転送先の番号に着信が転送されます。
条件付き転送
条件付き転送は、あらかじめ設定した条件(応答がない時や営業時間外、など)に該当した場合にのみ、電話を転送する仕組みです。
順次転送(シーケンシャル転送)
順次転送は、複数の転送先番号をあらかじめ設定し、着信があった際に順番に電話を転送する仕組みです。最初の転送先が応答しない場合、次の転送先に電話が回されます。
並列転送(サイマル転送)
並列転送は、着信を同時に複数の転送先に転送する仕組みです。例えば、オフィスの代表電話番号にかかってきた電話が、同時に複数の担当者の電話に転送され、最初に応答した人が対応します。
(表:転送方法の種類と主な利用シーン)
| 転送方法の種類 | 特徴 | 主な利用シーン |
|---|---|---|
| 直接転送(無条件転送) | すべての着信を指定番号に自動転送 | 外出時に代表電話番号を携帯電話へ一括転送 |
| 条件付き転送 | 不在時・話中・営業時間外など、条件に応じて転送 | オンコール対応、繁忙時の別部署転送 |
| 順次転送(シーケンシャル転送) | 複数の番号を順番に呼び出し、応答がなければ次へ転送 | 医療・保安センター・IT運用など、確実に応答が必要な場面 |
| 並列転送(サイマル転送) | 複数の番号を同時に呼び出し、最初に応答した人が対応 | コールセンター、緊急時や繁忙期の窓口 |
3. 電話転送サービスの種類
代表的なサービス「ボイスワープ」
電話転送サービスといえば、NTT東日本・西日本が提供する 「ボイスワープ」 が最もよく知られています。オフィスや店舗などのビジネス利用に加え、自宅の固定電話でも広く導入されている、代表的なサービスです。
設定は電話機の操作や専用Webページから行うことができ、利用目的に合わせて複数の転送方法(無条件転送・話中時転送・応答なし転送など)を選択できます。月額料金と機能のバランスが良く、コストパフォーマンスに優れたサービスとして多くの企業で活用されています。
また、提供形態としては「ひかり電話」「アナログ回線」「ISDN回線」向けにそれぞれ用意されており、幅広い利用環境に対応可能です。さらに、NTT以外のキャリアでも類似のサービスが提供されています。
- KDDI「着信転送サービス」
- ソフトバンク「多機能転送サービス」
一方で、次のような制約がある点には注意が必要です。
- 転送先への通話料金が別途発生するため、転送頻度が高い場合はコストが増える
- 転送先の登録件数に上限があり、ボイスワープでは最大5件までしか設定できない
このため、拠点数が多い企業や、電話当番を柔軟にローテーションしたいケースでは「設定作業が煩雑」「もっと転送先を増やしたい」といった課題が生じやすくなります。
その他の電話転送サービス「オンプレミス型」「クラウド型」
ボイスワープのようなキャリア提供型サービスが最も一般的ですが、電話転送の仕組みには他にも形態があります。企業規模やセキュリティ要件、運用コストに応じて選択肢が分かれるため、ここでは補足的に「オンプレミス型」と「クラウド型」についても触れておきます。
オンプレミス型電話転送サービス・・・企業が自社のPBX(構内交換機)を使って運用する形態です。大規模回線への対応や高いカスタマイズ性が特徴で、金融業界などセキュリティ要件が厳しい企業に適しています。ただし、初期費用や運用コストがかかるため、中小規模の事業者には導入ハードルが高い面もあります。
クラウド型電話転送サービス・・・インターネット経由で利用できるサービスで、専用機器の設置や保守が不要です。低コストで導入でき、リモートワークや多拠点展開に柔軟に対応できる点がメリットです。一方で、サブスクリプション費用が継続的に発生する点は考慮が必要です。
4. 電話転送サービスの料金と利用開始方法
電話転送サービスを導入する際には、料金体系の理解とスムーズな導入準備が欠かせません。サービスによって料金プランやオプションは異なりますが、基本的には以下の点を押さえておくと安心です。
- 基本料金+通話料・・・多くのサービスでは、月額の基本料金に加え、転送先への通話料が発生します。利用頻度や転送先の種類を踏まえてコスト計算を行うことが大切です。
- 初期費用の有無・・・オンプレ型は設備導入や設定に初期コストがかかるのに対し、クラウド型は初期負担が軽く始められるケースが多いです。
- 継続コスト・・・クラウド型ではサブスクリプション費用が発生するため、長期的な運用コストも考慮する必要があります。
導入方法はシンプルなクラウド型であればオンラインで完結できる場合が多く、オンプレ型の場合は設置やメンテナンスが必要になります。いずれの形態でも、サポート体制や将来的な拡張性を確認しておくことが、安心して利用を続けるうえで重要です。
5. 電話転送サービス選びのポイント
ビジネスのニーズに合った最適なサービスを選ぶために考慮すべき主なポイントをご紹介します。
機能比較の要素
電話転送サービスには多様な機能があり、利用目的や業務環境によって最適な選択肢は異なります。機能の違いは効率性やコストパフォーマンスに直結するため、事前に比較・検討することが欠かせません。
(機能比較の具体例)
- ・固定電話から携帯電話に転送できるか
- ・順次転送や並列転送など、希望する転送方法ができるか
- ・通話録音機能や自動応答機能など、必要な機能が備わっているか
- ・スケジュール機能など、設定にかかる負担を軽減する機能があるか
マルチキャリアかどうかの確認
電話転送サービスはNTT東日本・西日本の「ボイスワープ」をはじめ、KDDIやソフトバンクなど複数のキャリアから提供されています。
しかし、全国に拠点を持つ企業では、地域や部門ごとに異なるキャリアのサービスを利用しているケースも少なくありません。この場合、拠点ごとに異なる手順で転送設定を行う必要があり、管理や運用に手間がかかるという課題が生じます。
そのため、複数キャリアにまたがる環境でも統一的に設定・管理できる「マルチキャリア対応」のサービスを選ぶことが重要です。こうした仕組みを導入すれば、キャリアごとに異なる煩雑な設定作業を一本化でき、転送業務の効率を大幅に向上させることができます。
信頼性、料金、サポート体制の確認
サービスを選定する際は、次の観点を必ず確認することが重要です。
- 信頼性:転送エラーや障害が少なく、安定して利用できるか
- 料金:基本料金や通話料金が明確で、予算に収まるか
- サポート体制:24時間サポートなど、トラブル発生時に迅速な対応が受けられるか
信頼できるサービス、適切な料金体系、そして十分なサポート体制が揃っているかを見極めましょう。
6. ありそうでなかった転送の自動化「転送録」もおすすめ

固定電話の電話転送サービスは、人手不足や働き方の多様化が進む時代に、限られた人員で効率的に業務を回すための欠かせない仕組みです。システムや仕組みを正しく理解し、自社のニーズに最も適したサービスを選ぶことで、効率的なコミュニケーションと安定した業務運営を実現できます。
この記事では、電話転送サービスの基本的な概念から、具体的な活用法、そして選び方のポイントまで幅広く解説しました。導入を検討している方は、まず無料トライアルやデモを利用し、自社の運用に最適なサービスを見極めることをおすすめします。
コストパフォーマンスに優れ、利便性が高い「転送録」のサービス
クラウド型多機能電話転送サービス「転送録」では、電話転送にまつわる様々なサービスを提供しています。
特に、NTTの「ボイスワープ」を利用している企業にとって大きな課題となる転送設定の手間を、自動化・スケジュール化によって解決するのが「電話転送切替」であり、日常業務の効率化に直結するサービスです。
例えば、営業時間の開始・終了に合わせて転送先を切り替えたり、休日や夜間のみ別の番号に転送するといった設定を、人の操作なしでシステムが実行します。これにより、設定忘れや人的ミスを防ぎ、安定した電話対応体制を維持できます。
さらに、「転送先の件数を増設」「複数番号への順次・同時転送」「自動音声受付(IVR)」など、ビジネス規模や業務内容に応じて拡張できるサービスもラインナップ。専用機器や工事は不要で、クラウド経由で手軽に導入できるため、コストを抑えながら高い利便性を実現できます。
転送録のサービス一覧
- ・固定電話の転送切替作業をスケジュール、自動化する「電話転送切替」
- ・固定電話の転送先の件数を増やす「転送先増設」
- ・複数の番号へ順次に(次々に・順々に)転送する「順次転送」
- ・複数の番号へ一斉に(同時に)転送する「一斉呼出転送」
- ・時間外の自動応答や営業時間内の受電を整理するIVR「自動音声受付」
一般的に電話転送サービスは「導入してみないとわからない」ことが多いですが、「転送録」では無料トライアル(サービス試用)をご提供しています。実際の運用に近い形で体感いただけるので、納得感を持って導入を決められます。
電話転送サービスの導入を検討されている場合にはぜひお気軽にトライアルをご利用ください。