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横断的に企業の損失に備える、事業リスクマネジメントの手法とは?

公開日:2017/07/31   更新日:2022/03/28
事業リスクマネジメントの手法

近年、IT技術の進歩や情報化に伴い、企業を取り巻く環境変化はスピードを増しています。企業が直面するリスクは多様化し、リスクを適切に管理するためのリスクマネジメントが不可欠です。今回は事業リスクマネジメントの手法と、リスクマネジメントに対応した組織づくりの方法についてご紹介します。

事業リスクマネジメントとは

事業リスクマネジメントとは、将来起こりうるリスクを事前に把握し、損失を回避したり低減したりする取り組みを指します。

では企業が直面するリスクとは、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
まずは大きなリスクの1つとして、情報漏えいがあります。今では業務の中でPCをインターネットに接続して使うことが当たり前になっていますが、やりとりする情報の中には顧客情報や営業秘密などの機密情報が含まれることも少なくありません。
情報漏えいによって企業イメージが失墜したり、賠償費用が発生したりすれば、企業は信頼を失い、その存続にも影響しかねません。このような事態を防ぐため、社員に情報漏えいの危険性を周知させるとともに、情報の持ち出しをさせない体制をつくりましょう。

また事業リスクには、情報漏えいのような人的ミスから発生するもの以外に、災害リスクがあります。災害による損害を低減させるため、企業の資産や顧客は可能な限り分散させ、二重・三重の情報のバックアップを行うことを定めましょう。
一度災害が起きると、企業運営が滞るだけでなく、防災対策が不十分だったために被害が拡大すれば、企業のイメージダウンにもなります。リスクマネジメントは後回しにせず、速やかに取り組むことが大切です。

リスクに備えた横断的な組織づくり

横断的な組織づくり

リスクに備えるためには社員一人一人の取り組みはもちろん大切ですが、リスクに強い組織づくりも大切です。例えば、起こりうるリスクごとに組織が取るべき行動をあらかじめマニュアル化することは有効です。想定していたリスクであれば、各社員がマニュアルに従って迅速な対応を取ることができます。
また、組織横断的なリスクマネジメントを行うため、役割分担や連絡網を作成しておきましょう。対応すべき手順と役割分担を定めることによって、誰がどのように対処すれば良いのか明確になります。

リスクの大きさは、リスク発生時の影響の大きさと発生確率の積によって求められます。全てのリスクについて対応策を考えることは困難であるため、リスクの大きさを目安に優先順位を付けると良いでしょう。

リスク発生時の連絡手段を確保する

連絡手段を確保

事業リスクマネジメントを実施する際、リスクが発生したときにステークホルダーと連絡を取るためのコミュニケーション手段の確保も考慮しなくてはなりません。例えば、不祥事が起きれば、その問題への対応で顧客や取引先とのコミュニケーションがおろそかになってしまう可能性があります。
このような事態を防ぐためにおすすめしたいのが、電話の順次転送サービスの導入です。順次転送サービスとは、複数の電話番号に優先順位を設定し、顧客や取引先から電話があった際に順番に転送するサービスです。
「転送録」の順次転送サービスは独自の音声ガイダンスと保留音を使用しているため、電話をかけてきた相手には転送していることを感じさせません。

おわりに

1,000万円の利益を生み出すことと、1,000万円の損失を回避することは同じ価値を持ちます。リスクマネジメントが適切に行われていれば、慌てることなく事業を継続、もしくは復旧させることが可能です。
企業は常にさまざまな脅威にさらされています。どのような事態においても健全な企業運営をするためにはリスクマネジメントが必要不可欠です。ぜひこれを機にリスクマネジメントに取り組んでください。