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児童相談所で働く児童福祉司の課題

問い合わせ急増も人手不足!
児童相談所で働く児童福祉司の課題

公開日:2019/09/09   更新日:2022/12/21

児童虐待が大きな社会問題になり、児童相談所への通報や問い合わせが激増している反面、児童福祉司の数が不足しています。夜間や土日の緊急電話をとりこぼすことなく、児童相談所で働く職員の負担を軽減することができる、電話転送サービスのメリットを紹介します。

1. 緊急時には夜間対応も行う児童福祉司という仕事

東京都目黒区で5歳の女の子が虐待死した事件が社会問題になっています。児童相談所に寄せられる虐待に関する相談件数は、2000年から2010年までの10年で4倍になり、年々増加しています。児童相談所が2016年に児童虐待に対応した件数は、12万件と過去最多でした。政府は児童虐待防止の緊急対策をまとめ、法改正も行っています。

児童虐待を防止する意識が高まり、児童相談所への通告や問い合わせの電話が急増する中、とくに大阪、東京、神奈川、埼玉といった都市部の児童相談所は、週末や夜間も電話が鳴りやまない状況です。

児童相談所では、児童福祉司が子供や保護者からの相談に対応しています。児童福祉司とは児童相談所に置かなければいけない職員のことです。家庭環境に問題がある児童や保護者の相談に乗る他、虐待を受けている児童の一時保護など虐待事案にも対応を行います。


2. 児童相談所が抱える人手不足と電話対応の課題

厚生労働省のデータによると、児童相談所における虐待の相談件数が13万3778件に対し、配置されている児童福祉司の数は3235人です。現行の配置基準である「人口4万人につき1人」の基準をクリアしているのは、児童相談所を設置している69の自治体のうち、わずか19の自治体のみです。

児童福祉司1人当たりの児童虐待の相談対応件数は、全国平均で40件ほど。中には1人の児童福祉司が、100件もの虐待案件を抱えているような児童相談所もあります。1人の児童福祉司が現実的に対応できるのは、数人から数十人が限界といえるでしょう。

子供の虐待防止に対する意識が高まっている社会背景の一方で、相談に対応する児童福祉司の数が圧倒的に不足しています。児童相談所にかかってくる電話の一次対応をしている児童福祉司は、勤務時間外で自宅にいる時も、ケータイで緊急電話に対応する必要があります。虐待の通告だけでなく、警察からの緊急通報、保護した親からのクレームや相談電話も、ひっきりなしにかかってきます。土日や夜間も緊急出勤して対応しなければならないケースもあり、長時間のサービス残業は、職員の疲弊に直結する一因にもなっています。


3. 「転送録」で児童や保護者のSOSの声を確実につなぐ

児童や保護者からの緊急電話を確実につなぎ、児童相談所の職員の負担を軽減する方法として、電話転送切替の多機能化ソリューション「転送録」を活用することをおすすめします。

児童相談所の電話を転送電話で連携させれば、すぐに相談したくて電話をかけてきた児童や保護者を待たせることがなくなります。呼び出し時間をWebで簡単に設定できる「転送録」なら、児相所員や児童福祉司の負担を軽減し、電話対応の効率を高めることが可能です。

児童相談所の代表電話がNTTのボイスワープなどと契約していれば、転送録の「一斉呼出転送サービス」「順次転送サービス」を活用することができます。「一斉呼出転送サービス」は、児童福祉士や児童相談所職員「全員」のケータイ番号に、一斉コールして呼び出します。最初に電話に出た人が対応して、「できるだけお待たせしない対応」を実現することができます。一斉呼出の転送先が全員電話に出られなかったり、発信者が電話を切ったりした時は、発信番号をメールで通知し、折り返し電話することも可能です。

「順次転送サービス」は、かかってきた電話を優先順位が高い順に転送することができます。AさんがつながらなかったらBさん、BさんがつながらなかったらCさんと、大切な電話をとりこぼすことがありません。優先順位の変更も、Webで簡単に設定できます。当番制で問い合わせ対応を行う現場での運用に最適です。

また「全国交通ダイヤル」等のサービスと「転送録」を組み合わせて運用することで、緊急電話に素早く、柔軟に対応することも可能です。児童や保護者のSOSの声を児童相談所へつなぐ唯一の手段は、問い合わせ電話です。緊急電話を児童福祉司に確実につなげつつも、児童相談所職員の負担を軽減することのできる、「転送録」の活用を検討してみませんか?