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住民対応から教員の働き方改革まで、電話転送の自動化で実現するDX

自治体・学校の「電話がつながらない」を解消する
住民対応から教員の働き方改革まで、電話転送の自動化で実現するDX

公開日:2026/05/18   更新日:2026/05/18
自治体・学校の「電話がつながらない」を解消する

自治体・学校の電話転送自動化とは、住民や保護者からの電話を、時間帯や曜日に応じて担当部署や当番職員のスマートフォンに自動で振り分ける仕組みです。

全国の自治体の窓口や学校の事務室には、日々多種多様な電話が寄せられます。自治体では住民からの行政手続き・税・福祉に関する問い合わせや災害時の避難情報の確認、学校では保護者からの欠席連絡や部活動に関する問い合わせ、緊急相談など、電話対応は公共サービスの最前線です。

しかし、限られた人員で増加する問い合わせに対応し、さらに地方公務員・教員の働き方改革や時間外勤務の削減も求められる中、従来の電話対応体制は限界を迎えつつあります。文部科学省の「教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査」によると、市区町村の学校における留守番電話の設置等は、令和2年度の40.9%から令和4年度の56.1%へと急速に拡大しています。
ただし、単なる留守電導入だけでは『緊急連絡の切り分け』という新たな課題が生まれています。

本記事では、自治体の窓口業務と学校の時間外電話対応における課題を整理し、電話転送サービスによる具体的な解決策を、導入事例とともにご紹介します。


1. 自治体の窓口電話対応における3つの課題

課題① 住民からの問い合わせが集中し「つながらない」

マイナンバーカード関連の手続き、各種証明書の発行、税金・保険の相談、子育て支援に関する問い合わせなど、自治体窓口への電話は多岐にわたります。特に制度変更の時期や災害発生時には電話が急増し、住民が何度かけてもつながらない状況が発生します。

総務省のデータによると、地方公務員の数はピーク時(1994年)から約48万人減少しており、限られた人員で増加する問い合わせに対応する構造的な課題があります。

課題② 部署間のたらい回しと取次ぎの非効率

行政サービスは非常に細分化されており、住民の問い合わせ内容と電話を受けた部署が一致しないケースが頻繁に発生します。担当部署への取次ぎに時間がかかり、場合によっては「たらい回し」と受け取られることもあります。住民満足度の低下だけでなく、取次ぎ対応に職員の時間が奪われることも問題です。

課題③ 閉庁時間外の電話に対応できない

自治体は民間企業よりも終業時間の管理が厳格であり、閉庁後にかかってくる電話には原則として対応できません。しかし、住民からすれば「電話をかけたのに誰も出ない」という体験は行政への不信感につながりかねません。緊急性の高い連絡と、翌営業日でよい一般的な問い合わせを適切に切り分け、必要な応答のみを行う仕組みが求められています。


2. 学校・教育機関の時間外電話対応における課題

課題① 教員の長時間勤務の一因となる時間外電話

学校現場では、勤務時間外の電話対応が教員の長時間労働の一因として問題視されています。保護者からの欠席連絡、部活動に関する問い合わせ、翌日の持ち物確認など、内容は緊急性の低いものも含まれますが、教員が対応せざるを得ない状況が続いています。

文部科学省も「時間外の電話対応の軽減」を働き方改革の重要施策として位置づけており、留守番電話の導入や受付時間の明確化を推奨しています。京都府城陽市では2018年から市内の小中15校で業務時間外の自動音声対応を実施するなど、先進的な取り組みが広がりつつあります。

課題② 緊急連絡への対応体制の不安

一方で、時間外の電話を一律に遮断すると、児童・生徒の安全に関わる緊急連絡を受け取れないリスクがあります。いじめ、不登校、家庭内の問題など、一刻を争う相談が夜間に入ることもあります。「時間外対応の軽減」と「緊急連絡への確実な対応」を両立させる仕組みが必要です。

課題③ 災害時の連絡体制が整備されていない

地震や台風などの災害発生時、学校は教育委員会や災害対策本部、保護者との連絡を迅速に行う必要があります。しかし、固定電話回線が使えなくなるケースも想定され、BCP(事業継続計画)に基づいた電話連絡体制の整備が求められています。文部科学省もBCP策定を推奨していますが、学校・教育施設におけるBCP策定率は他業種と比較して低い状況にあります。


3. 電話転送サービスで実現する5つの解決策

上記の課題を解決するために有効なのが、クラウド型電話転送サービスです。自治体と学校のそれぞれの課題に対応する5つの機能をご紹介します。

機能 自治体での活用 学校での活用
自動音声受付(IVR) 「住民票は1番、税金は2番、子育ては3番」で部署別に自動振り分け。たらい回しを解消 時間外は自動音声で案内。「緊急の方は1番を押してください」で緊急電話のみ教育委員会・相談窓口に転送
電話転送切替 閉庁時刻に自動で転送ON→翌朝に自動OFF。宿直室や当番職員のスマホに転送 16:45に自動で留守番電話or転送に切替→翌8:15に自動解除。切替忘れなし
電話転送切替(大規模) 市内の複数施設(本庁・支所・出張所)の転送設定を一括管理・一括切替 教育委員会が管轄する市内全小中学校の転送設定を一括管理
一斉呼出転送 災害対策本部・防災担当者・広報担当者のスマホを同時に呼出。最初に出た人が対応 災害時に教育委員会・校長・教頭を同時に呼び出し、迅速な意思決定を支援
順次転送 当番職員が出なければ次の職員に自動リレー。夜間・休日の住民からの緊急電話に確実に対応 管理職が出なければ教育委員会の緊急連絡窓口に自動転送

特に学校向けには、文部科学省が推進する「教員の働き方改革」に直結する施策として、電話転送切替と自動音声受付(IVR)の組み合わせが有効です。勤務時間外はIVRで自動応答し、一般的な問い合わせは翌営業日の対応を案内。緊急の電話のみ教育委員会や管理職に転送するという運用により、「時間外対応ゼロ」と「緊急連絡への確実な対応」を両立できます。


4.「転送録」の導入事例

導入事例① 教育委員会様:市内全校の時間外電話を一括自動化

ある教育委員会様では、管轄する市内の小中学校の業務時間外の電話対応を「転送録」で一括自動化しました。業務時間外は自動音声でガイダンスを流し、緊急連絡は市役所の宿直室にかけ直すよう案内。時間外や休校の予定は事前にわかっているため、「電話転送切替」で1年分の転送スケジュールを事前登録し、Web画面のカレンダーで管理しています。

導入効果として、教員の時間外電話対応がなくなり、古い学校設備でも利用可能なクラウドサービスとして手軽に導入できた点が評価されています。学校の統廃合や人員変更があっても、専用機器の移設や資産管理が不要な点もメリットです。

導入事例② 自治体様:住民問い合わせの自動振り分け

ある自治体様では、住民からの電話問い合わせが特定の時間帯に集中し、「つながらない」というクレームが課題でした。「転送録」の自動音声受付(IVR)と一斉呼出転送を組み合わせ、問い合わせ内容別に担当部署へ自動振り分けする体制を構築。繁忙時間帯でも複数の職員が同時に対応できるようになり、住民の待ち時間が大幅に短縮されました。


5. 自治体・学校ごとの具体的な設定パターン

パターンA:学校の時間外電話対応(「時間外電話対応ゼロ」プラン)

・平日16:45〜翌8:15:
電話転送切替で自動音声受付(IVR)に自動切替。「本日の業務は終了しました。緊急のご連絡は1番を押してください」と案内。1番を押した場合のみ教育委員会・相談窓口の緊急窓口に転送

・土日・祝日・長期休暇:
終日自動音声対応。緊急時は1番→教育委員会の当直に転送。年間スケジュールを事前に一括登録可能

・災害発生時:
手動で一斉呼出転送に切替。教育委員会・校長・教頭を同時に呼び出し。Web画面からボタン1つで即座に切替可能

パターンB:自治体窓口の電話効率化

・開庁時間:
自動音声受付(IVR)で部署別に自動振り分け。「住民票は1番、税金は2番、子育ては3番、その他は0番」。0番は代表番号に接続

・閉庁後(17:15〜翌8:30):
電話転送切替で自動音声に自動切替。「受付時間外です。緊急のご連絡は○○番におかけ直しください」と案内

・災害時・緊急時:
一斉呼出転送で防災担当・危機管理担当・広報担当を同時に呼び出し。自動分配転送で問い合わせが集中する際の負荷分散も可能

パターンC:教育委員会による複数校の一括管理

・電話転送切替(大規模):
教育委員会が管轄する市内全小中学校(例:15〜30校)の転送設定を、1つの管理画面から一括で設定・変更。各校ごとに個別対応する必要がなく、教育委員会の事務負担を大幅に軽減


6. 防災・インフラ監視のアラートも自動通知するなら「急コール」

ここまで、住民や保護者からの「着信電話」をいかに効率的に受け、適切な部署・担当者につなぐかについてご紹介しました。転送録による電話転送の自動化は、自治体の住民対応と学校の時間外対応の両面で大きな効果を発揮します。

一方で、自治体にはもう1つの重要な電話課題があります。それは、防災設備やインフラ監視システムからの「アラートを職員に確実に伝える」という課題です。

例えば、ダムの水位異常、河川の氾濫警報、防犯カメラの侵入検知、LINEを通じたいじめ相談の受付通知など、自治体が管轄する防災・安全に関わるシステムからは、メールでアラートが発報されます。しかし、夜間や休日は担当職員がメールに気づけないリスクがあります。

このような「システムからのアラートを職員に電話で即時通知する」課題の解決には、ワイドテックの姉妹サービス「急コール」が有効です。

急コール」は、特定のメールを受信すると自動で電話をかけて知らせるクラウドサービスです。31都道府県・81市区町村の自治体に導入実績があり、防災アラートやインフラ監視の通知手段として多くの公共機関で活用されています。

自治体・公共機関における急コールの具体的な活用方法は、以下の記事で詳しく解説しています。

自治体・公共機関の防災アラート・インフラ監視を自動電話通知で効率化する方法

7. まとめ

自治体の住民対応と学校の時間外電話対応は、どちらも「限られた人員で、確実かつ効率的に電話対応を行う」ことが求められる共通課題です。クラウド型電話転送サービス「転送録」を導入することで、以下の効果が期待できます。

・住民の「つながらない」を解消:
IVRによる自動振り分けと一斉呼出転送で、住民が適切な担当者にスムーズにつながる

・教員の時間外対応をゼロに:
電話転送切替のスケジュール自動化で、勤務時間外は自動音声対応。緊急電話のみ教育委員会に転送

・災害時の連絡体制を強化:
一斉呼出転送で関係者を同時に呼び出し、BCP対策として機能

・複数施設の一括管理:
電話転送切替(大規模)で教育委員会による全校一括管理が可能

さらに、防災設備やインフラ監視システムからのアラートを自動電話通知する「急コール」と組み合わせることで、「住民・保護者からの着信対応」と「防災アラートの即時通知」の両面をカバーする、包括的な自治体・教育機関の電話DXが実現します。

転送録は無料トライアルも可能です。学校向けには「時間外電話対応ゼロ」プランもご用意しています。まずはお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ先:株式会社ワイドテック
電話:03-5829-4886(平日 9:30~17:30)
お問い合わせフォーム:https://www.10so6.com/inquiryform
学校向け「時間外電話対応ゼロ」プラン:https://www.10so6.com/work_style_reform

※本記事の内容は公開日時点の情報に基づいています

※転送録と急コールは、株式会社ワイドテックが開発・提供するクラウド型電話ソリューションです


よくある質問(FAQ)

自治体の固定電話からスマートフォンに転送できますか?

はい。転送録はNTTボイスワープ等の各キャリア転送サービスと連携し、Webの専用画面から固定電話への着信を、職員のスマートフォンや携帯電話に転送の指示をすることができます。
また、あらかじめ切替予定をスケジュールすることで自動での転送先切替や、転送先が足りない場合にも、転送先増設サービスを組み合わせることで、10件以上の転送先設定にも対応が可能です。

教育委員会として、管轄する全学校の転送設定を一括管理できますか?

はい。「電話転送切替(大規模)」を利用すれば、複数校の転送設定をひとつの管理画面から一括で設定・変更できます。各学校が個別に電話転送の設定を行う必要がなくなり、学校現場の事務負担を軽減できます。また、教育委員会側でも管轄校への運用指示・問い合わせ対応の手間が減り、市内全域の電話対応を統一的にコントロールできます。

災害発生時に緊急で転送先を変更できますか?

はい。転送録はWeb画面からボタン1つで転送設定を変更できます。災害時に一斉呼出転送に切り替え、防災担当者全員を同時に呼び出すといった運用が可能です。
※災害の規模や通信環境、利用サービスによっては、一時的にサービスをご利用いただけない場合があります。BCP策定の際は冗長化された連絡手段の併用をご検討ください。

学校の古い電話設備でも導入できますか?

はい。転送録はクラウドサービスのため、専用機器の購入や設置工事は不要です。既存のNTTボイスワープ等を利用している環境であれば、学校の設備が古くても問題なく導入できます。実際に導入した教育委員会様からも「古い学校設備でも利用可能」と評価をいただいています。

防災アラートの電話通知にも対応できますか?

防災設備やインフラ監視システムからのアラートメールを自動で電話通知するには、姉妹サービス「急コール」が最適です。転送録は「着信電話の転送・振り分け」、急コールは「メールをトリガーとした電話の自動発信」と、それぞれ異なる課題を解決します。両方を併用することで、自治体の電話課題を包括的にカバーできます。