山陰酸素工業株式会社様(電話転送切替)
導入事例
山陰酸素工業株式会社様(電話転送切替)
「30分ルール」を遵守し保安業務に集中できる環境を構築
プロパンガス業界の共通課題(業務効率向上)を「電話転送切替」で解消
お客様プロフィール
- URL:https://www.sanin-sanso.co.jp/
- 業務内容:
産業用・医療用ガス、LPガス・液化天然ガス(LNG)の製造及び販売、電気の販売(小売電気事業者登録番号A0264)、ガス関連器材の販売、空調機器の販売、ガス供給設備設計・施工、住宅リフォームなど
- 導入したサービス:電話転送切替


鳥取・島根県を中心に、関東や九州、山陽でも幅広く事業を展開する山陰酸素工業株式会社様は、1946年の設立以来、産業用・医療用ガス、LPガス、液化天然ガス(LNG)の製造や販売、ガス関連機材の販売を行っています。
日本の都市ガス普及率は全体で46%、島根や鳥取では10%前後のため※、同社が提供する一般消費者向けLPガスは地域社会のインフラとして、大変重要な役割を担っています。
地域の産業や生活に欠かせないガスを提供する同社では、「統括保安本部(集中監視センター)」を設置し、万が一の緊急時に対応するための体制を構築しています。ガスの安心・安全な供給を行うために「転送録」をどのように活用しているのかをお伺いしました。
出典:経済産業省「電力およびガスの小売り全面自由化について」平成29年3月10日
導入前の課題
手動による転送設定・解除対応に漏れが生じ、保安業務に影響が出ていた
導入後の効果
転送業務の自動化で業務効率が向上し、保安業務に集中できる環境ができた
電話対応のための土日出勤や宿直の廃止によって、離職率低下につながった
お話を伺ったご担当者様

執行役員 統括保安本部 副本部長 石井健一様
「転送録」電話転送切替の活用状況
多数ある拠点の電話転送設定の自動化に活用
――― 現在「転送録」をどのように活用しているのかお聞かせください
電話対応のための土日出勤や宿直の廃止によって、離職率低下につながった
お話を伺ったご担当者様

執行役員 統括保安本部 副本部長 石井健一様
「転送録」電話転送切替の活用状況
多数ある拠点の電話転送設定の自動化に活用
――― 現在「転送録」をどのように活用しているのかお聞かせください
1997年に運用が始まった集中監視センターは、2023年のリニューアル時に災害対策本部機能を追加し、お客様に安定したガスを供給するべく24時間365日、年中無休で運用しています。専門の監視員がガスの使用状況を監視し、異常発生時の警報や情報チェックを行っています。
私たち山陰酸素工業では、鳥取支店・米子支店・松江支店・境港営業所など10を超える支店・営業所でお客様からの電話問い合わせの対応を行っていますが、その営業時間(平日8:30~17:00)以外のお問い合わせは集中監視センターに電話転送をすることで対応しています。
「転送録」の電話転送切替は、各支店・営業所および集中監視センターの業務効率を向上させることを主な目的に、2021年に導入。各支店が毎日対応していた転送切替業務の自動化を行っています。
「30分ルール」のために必要な対応スピードと業務効率の向上
プロパンガス業界(液化石油ガス販売事業者)には「保安業務」が国により義務付けられており、それを遵守することにより、お客様に安心安全なガスの供給を行っています。
その保安業務を行うためには国の認定を受ける必要があり、その基準の一つに「災害が発生したり、発生が予見される場合に原則として30分以内に到着し、措置を行える体制を確保すること」があります。
「30分ルール」と呼ばれているこの基準を満たすには、お客様からの電話にスピーディな対応が求められますし、それを限られた人材で行うためには業務効率を向上させる必要があります。それらのためにも、「転送録」を活用した電話転送が役立っています。

「転送録」電話転送切替の導入に至った背景
手動の設定では、転送設定・解除対応に漏れが生じていた
――― 導入前にはどのような課題をお持ちだったのでしょうか
導入前の集中監視センターは、各支店の電話転送設定の確認のために、朝晩2回の電話連絡を受けていました。営業終了時刻の17:00には「転送設定しました」、営業開始時刻の8:30には「転送設定解除しました」の連絡ですが、その一連の業務に課題を感じていました。
まずは、手動では設定作業を忘れてしまう、ということです。
転送設定時には、最後に帰宅する人が連絡するというシンプルなルールなので問題はありませんでした。ただ設定解除のルールが、出勤している複数の人の中で気づいた人が8:30に行う、というものだったので、どうしても抜けや漏れが発生していました。
また、解除忘れがあった場合にはその都度、集中監視センターから各支店に電話連絡をしていたため、業務に無駄が発生していました。
転送設定確認によって、本来の業務に影響が出ていた
そして、集中監視センターに本業以外の電話が集中することにも課題を感じていました。
各支店・営業所が同じ時刻に一斉に転送設定の確認をセンターに電話します。センターの対応人員は無数にあるわけではありませんし、そもそもお客様対応中に社用電話が集中してしまうことで、本業の対応がおろそかになってしまう危惧がありました。
メールやチャットなど、電話以外の方法で設定完了・解除の確認ができれば良いのでしょうが、各支店の従業員の多くは営業担当で、常にパソコンを立ち上げているわけではありません。電話に頼らざるを得ないということを前提に、電話転送の設定を確実なものにするためのサービスを探していました。
プロパンガス業界共通の課題「業務効率向上」
先に述べた「30分ルール」のこともありますが、私たちの業界ではお客様対応の方法は「電話連絡」にほぼ限られます。
当社が行っていた、
・電話転送設定・解除の報告を集中監視センター宛に電話で行うこと
・報告の連絡がなければセンターから各支店に電話連絡をすること
これらの対応によって「特定の時間に電話が集中すること」「本業が疎かになってしまうこと」は業界共通しており、業務効率の向上は喫緊の課題であると感じていました。
導入の決め手となったポイント
「自動転送」による業務効率向上に加え、安価なコストも導入の決め手
――― 「転送録」導入の決め手となった理由は何だったのでしょうか
「自動転送」にすることで、
・転送設定の解除忘れ・設定忘れをなくすこと
・各事業所の手間(確認のための電話)をなくすこと
この2つを実現できるサービスを探していましたが、「転送録」以外で可能なサービスを見つけることができませんでした。
課題が解決できることに加え、導入コストが安価なことや、プロパンブタンニュースに「転送録」が掲載されていたことも、導入の決め手になりました。

画像:プロパンブタンニュース
「ワイドテック:電話転送を自動化‐低コストで利便性高く」2021年6月28日(月)発行
導入してみた効果や感想
保安業務に集中でき、導入前の課題を解決
――― 「転送録」導入による変化はありましたか?
サービスを一言で表現するなら「便利」。そして従業員からは「本来の業務に集中できる」という嬉しい声をもらっています。導入前に持っていた課題を解決するに十分なサービスです。
集中監視センターの本業は「お客様からの電話問い合わせに対応する」です。そのセンターが行う以下の電話対応
・10を超える支店・営業所から日々かかってくる転送設定・解除時の確認電話を受電すること
・解除忘れを知らせるため、支店・営業所へ架電をすること
これらが必要なくなったことで、お客様対応に集中できるようになり、業務効率が格段に向上しました。
転送設定忘れのリスクも解消、リマインドメールを便利に活用
日々発生する電話転送設定の業務を自動化し、営業時間外や休日は、お客様からの電話問い合わせはすぐ集中監視センターに転送をしています。その後、営業時間外であることのアナウンスを流し、保安員に繋げています。センターではお客様対応以外にも、集中監視システム異常警報受信の業務も行っており、業務は多岐にわたります。その中で保安上重要な電話に集中できる環境になったことは大きな成果です。
また、転送のスケジュール設定は1年に1度行えば良いようですが、使い方を忘れるのも良くないと考え、毎月1回行っています。設定をしていなければ「転送予約リマインドメール」が送信される点は、導入後に改めて感じた便利さです。転送設定そのものを忘れる、というリスクがほぼなくなります。これも含めて「便利」なサービスだと評価しています。
業界特有の勤務体系からの脱却、離職率の低下につながる
当初期待していなかったメリットとして、従業員の離職率の低下に繋がっているのではないか?という点があります。
集中監視センターによる保安業務は、24時間365日体制です。土日出勤は当たり前、宿直や日直の担当もありました。それが「転送録」の導入によって宿日直の廃止をすることができました。
この勤務体系の変化は、従業員から大変好意的に受け入れられています。離職するためには複数の理由が総合的に絡み合っているので必ずしも断言はできませんが、従業員の声を聞くと離職率の低下に繋がっていると確信しています。

持続可能な組織であるために
『社員の「働きやすさ」の提供』を推進
――― 今後のビジョンについてお聞かせください
山陰酸素工業では、最も重要な課題(マテリアリティ)について議論し、持続可能な組織であるためには、「働くこと」や「働く人」に関して経営リソースを割くことが重要だと結論を出しています。
具体的には、組織としての重要度、また社会としての重要度が最も高いものとして『社員の「働きやすさ」の提供』を掲げています。
「転送録」の導入によって、支店・営業所では宿直や日直業務を廃止することによって、従業員の負担を軽減することができました。同じく、集中監視センターでは本来の業務に集中できるようになり、いずれの業務効率も向上していると断言できます。
転送作業の自動化、という小さな改善かもしれませんが、私たちのマテリアリティに則った結果を出すことができたと考えています。
やらなくて良い手間は極力省く
販売店など、当社と関係がある企業に「転送録」の導入を薦めています。私たちが当初抱えていた課題は、業界に共通しているものですが、「転送録」で実現できた、やらなくて良い手間は極力省いていくこと、それにより本来の業務に集中できる環境にすることは、あらゆるビジネス環境に共通して言えることかもしれません。
同じような課題を持たれている企業や団体の方に、ぜひ勧めたいサービスです。
※取材:2024年7月11日